❖ここまで進んでいるI C T活用と業務改善・・・後編


2022.01.06 |投稿者:神内秀之介

 今回は、解決したい課題が明確で、その課題に対しダイレクトに解決を提案しているものをお伝えしていきたいと思います。

 まずは、業務の効率化や生産性向上のため、また紙による記録を無くしたいという事業所であれば、サービス種別に関わらずインターネット接続が可能なスマートフォンやタブレットさえあれば、介護記録の効率的入力と情報共有、介護計画の効率化ができるAndroid版のビジネス系アプリで、日本KAIGOソフト株式会社が配信する「Care Viewer ~AIケアプラン・介護記録ソフト~」を紹介したいと思います。

 第一の特徴は、なんと言ってもスマートフォン・タブレットに専用アプリをダウンロードしてログインすれば、いつでもどこでも即時記録ができることです。施設などの事業所内はもとより、インターネットから接続可能なスマートフォン・タブレットアプリを使って、訪問介護事業など訪問先でも記録ができます。

 施設内介護であっても、訪問による介護であっても、記録にかかる移動の負担を軽減し、その場で介護記録を入力できることにより、記録にかかる間接的な時間の効率化につながります。

 また、パソコンが苦手な人でも、入力画面にリストが整理されているので、迷うことなく指先で簡単操作が可能です。さらに最近は精度が上がっている音声入力も可能です。もちろんパソコンでも使用することができるので、管理者や責任者、他のスタッフとの情報共有もすぐに可能となります。

 導入後使用を始めるにあたっても、入居者や利用者の基本情報をひとまず入力するだけで、すぐに介護記録の入力が出来るようになっています。

 とは言っても、パソコンでもスマートフォン・タブレットでも入力が苦手をいう方も多いかと思いますが、入力補助機能があり、慣れてくると通常の紙に記録するより記録のスピードアップさせることができます。リストダウンよる選択や文章候補があがってきます。

 スタッフの記録や事務作業の時間削減ができれば残業や非介護にかかる間接業務労働コストの低減に繋がります。また低減した時間は、入居者や利用者への直接的なケアに充てる時間やスタッフ間でのケアに対する方向性の打ち合わせの時間に当てることができ、ケアの質の向上に割り当てることが可能となります。

 先ほど説明した音声入力や外部デバイスとの連携記録が可能であることのメリットは、単に入力が楽になるだけではなく、今後想定されている外国人介護労働者の採用や障害者雇用、アクティブシニアなどの活躍を見据えた時に、多言語の外国語対応のインタフェースや入力のハンデに対する、言語入力の障壁を低くし介護記録を負担のない業務にすることができ、スタッフの精神的負担の低減が期待できます。

 外部デバイスとの連携では、30万社が導入しているビジネスチャットのChatwork(Chatwok株式会社)と連携していて、タスクの管理や業務の通知、スタッフ間の情報共有をさらに向上させることができます。また関係機関との連携も電話やメール以上にスマートに出来るうえ、ビデオ通話も可能なためミーティングや家族などとのオンライン面会にも活用できます。

 また、介護計画作成を簡易化する機能が備わっています。フォーマットは、居宅サービス計画の形式とはなっていますが、工夫次第ではそれぞれのサービス種別の個別支援計画書作成のヒントになります。

 AI機能の導入によりケアマネジャーや計画作成責任者や管理者などへ入力したアセスメント情報から入居者や利用者の自立支援につなげるケアプラン原案が提案されます。特に分析にかかる時間や候補の検討に費やす時間が軽減されることで、ケアマネジャーなどの総体的な事務作業にかかる時間を削減することができます。

 また経験の浅い事例の取り扱いの少ないプランナーのアセスメントのヒントとすることができます。現在はAndroid版のみのようですが、年明けにはiOS版もリリースされるそうです。(すでにリリース済みのようです)

https://care-viewer.com

 次は以前にもご紹介した商品ですが、家電量販店でもネット販売でも購入できる優れものの排泄予知ロボット「DFree」(トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社)を紹介します。  

 すでに利用しているユーザーも多いかと思います。なぜ急にユーザーなんて言い方を使ったかと言えば、施設や事業所に限らず、個人で購入し活用されている方も多いからです。

 「DFree」は、センサー端末を下腹部に装着することで体内の動きを検知・分析し、排尿のタイミングを予知・通知してくれるウェアラブルデバイス(装着型端末)です。本体にエコー診断にも用いられている人体に影響のない超音波センサが内蔵されており、膀胱の大きさの変化を捉えることで、膀胱のデータをリアルタイムにグラフ化し、尿のたまり具合や排尿傾向が視覚的に確認でき、「そろそろ出そうだ」もしくは「出ました」という通知をしてくれます。

 本体はBluetooth接続でスマホアプリと連携しており、通知はもちろんログ(経過の記録)を蓄積してくれます。つまり、使えば使うほど個人の排泄傾向を学習し、予知の精度が向上していきます。

 排泄を予知することで予期しない失禁などを防ぐことができ、個人で活用していれば尿漏れなどの不安を解消し安心して生活できるだけでなく、場合によっては、おむつやパットの装着が不要になるなど自尊心を保つことができます。

 また施設などでは、トイレ誘導のタイミングとパッド交換のタイミングを事前に通知で気がつくことができ、通知に基づきトイレ誘導など排泄介助を行うことで、自立排泄の実現や空振りの減少につなげることができます。場合によっては、おむつやパットの使用量が減少し、コスト削減についても期待ができます。

 また、施設など入居系サービスでは、クラウドでデータを管理しているので、1つのスマートフォン端末で、複数の入居者の管理が可能で、いつでもどこでも遠隔でリアルタイムで、尿のたまり具合を確認できます。尿のたまり具合と排尿時間の記録を分析し、排泄ケアの見直しに役立てることができます。過去3回分の尿のたまり具合の推移グラフを重ねて表示する機能や、過去1ヶ月分の排尿時間の傾向を自動で分析することができます。

https://dfree.biz

 最後になりますが、これまで3回連続で様々な角度からアイテムやI C Tソリューションなどを紹介してきましたが、そもそも何を入れたら良いのかわからない、入れたは良いがうまく活用できていない、介護ソフトがフリーズして回復までに業務が止まってしまう・職員が介護支援業務から奪われてしまう、ネットワーク障害になるとどうして良いのかわからない、詳しかった職員が辞めてしまって何かトラブルが発生するとメーカーなどから職員を派遣してもらって高額な費用がかかるなど様々なお悩みがある方に、介護I T・I C Tソリューションに関する専用相談窓口サービスとして、「ほむさぽ北海道」(株式会社ビーブリット)というサービスがあります。

 これまで関東圏を中心にサービス提供されていましたが、今回令和2年10月より北海道でもサービスが開始されました。先ほど述べたお困りごとに対して、製品やソフト・メーカーの縛りなしに対応するヘルプデスク機能とそもそも全体にかかるシステム導入や構築、ランニングコストの見直し、H P作成や管理、スタッフ教育、セキュリティリスク対応などのI T・I C Tのコンサルティング機能を兼ね備えています。

 すでに活用されているところでは、P Cや介護ソフトなどのトラブルから解放され、ケアに集中できるようになったとか、業務の効率化はもちろんのこと自分たちの施設・事業所にあった適切な機器選定でコスト削減につながったなどの効果が出ています。具体的に何かお困りごとがある施設事業所はもとより、何をどうして良いのかわからない、どこに誰に相談すれば良いかわからない方でも、まずは一歩踏み出して、お気軽に一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。(mail address:hokkaido@homesapo.com

https://www.bibrid.co.jp

 3回にわたって様々なアイテムやソリューションを紹介してきましたが、今ご自身の目の前の課題のタイプに合わせて、改善や変革に取り組むヒントになればと思います。


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