❖これだけは準備しよう!介護ソフト選定前に・・・後編


2021.12.30 |投稿者:神内秀之介

 今回は前回に引き続き介護ソフト導入に失敗しない参考のために、具体的な導入プロセスについてお伝えしていきたいと思います。前回もお伝えの通り介護ソフト導入としていますが、A IやI C Tソリューションまたは介護ロボットなどの介護現場の生産性向上のツール導入のプロセスの参考にもなりますので、よろしくお願いします。

 まず一番初めに取り組むことは、いうまでもなく施設事業所の課題もしくは今後想定される課題と介護ソフトを導入して、望む結果のそれぞれをリストアップして明確化することです。

 リストアップして明確化する理由は、介護ソフトの選考基準(軸)を明確にするためです。すべての始まりに課題(今後想定される課題)と望む結果を明確にしておくことによって、導入する介護ソフトが実際に課題解決可能な介護ソフトなのかどうかという視点を共通の評価軸として複数ある候補から選出できるようにするためです。

 この課題をリストアップするポイントは、普段業務の中で現場の仕事内容を思い浮かべながら、大変だと思ったことや改善の余地があると思ったこと、違和感があったこと、そしてこれは人がアナログでする必要ないのではと思ったことなどをピックアップすることです。

 ただ、そうは言ってもどん課題などを出していけば良いのか迷ってしまうと思うので、先に今市場に出回っている介護ソフトを導入すると課題改善の期待される効果の代表例について別表を参考にしてください。

 ここまで事前準備をしておいた上で、ここからは多少面倒で時間がかかっても正しいというか、自分たちの必要としている・業務課題解決につながる介護ソフトの「選び方」をまず抑えておくことがポイントとなります。

 もし最適な介護ソフトとその会社にたどりつくことができれば、現状よりも大幅な業務改善ができる上、残業時間の圧縮や、離職率の低下(職員の定着)、研修や引継ぎ・会議時間の削減など様々な業務改善とその副次的な効果を受けることができます。

 そこで、介護ソフトを探し出す流れとポイント次のようになります。まずは、「サービス種別に対応している介護ソフトを探す」です。当たり前のことですが、まずは、自施設・事業所の提供サービスに対応している介護ソフトを探さなければなりません。介護ソフトは先ほどお伝えしたように100種類程度存在していますが、実際に自施設・事業所が提供しているサービスに対応している介護ソフトはせいぜい多くても2、30種類程度に絞られます。

 多くても半分には減らせます。また複数サービス種別等でまとめて同じソフトを活用することを検討するときには、いきなり10種類程度に減ることもあると思います。今はまとめて検索できる便利なインターネットサイトもあるので、そちらで絞り込んでいきましょう。

 次に「機能・価格・口コミ評価を確認する」です。と言ってもここからなかなか苦戦します。介護ソフトメーカーのホームページを見ても、大手は立派なホームページに既存ユーザーの声や様々なメッセージが満載のところもあれば、ベンチャーなどは、まだホームページが充実していない場合があります。

 また価格についてもホームページに表記されているところもあれば、全くされていないところもあります。その場合、大手の方が安心で他に利用している施設・事業所もあるから、とりあえずそこで良いと判断してしまいがちですが、自施設・事業所に機能や価格がマッチするか、本当の強み・弱みはどこなのか慎重に検討することが必要です。

 その際には、面倒がらずに介護ソフトの資料請求を行い(インターネットサイトの画面から必要事項を入力するとダウンロードできるところもあります)、介護ソフトの資料が手元に揃った状態で、しっかりと機能や価格を比較することが重要です。

 それでも価格表などがない場合は、そこもしっかりお願いすることが重要です。営業の問い合わせが来て面倒になるからと遠慮してはいけません。

 また、みなさんもよく実践されていることだと思いますが、メーカーに近くで利用している施設や事業所はないか尋ねて、可能であれば紹介してもらい、その施設事業所に色々聞いてみることも後々導入した後にも役に立つことがあります。ここまでで、だいたい2、3のソフト、多くても5つまでには絞れると思います。

 そして、次に「デモンストレーションを受ける・デモ機をレンタルする」です。介護ソフトのデモンストレーションを受ける前に、施設・事業所が抱えている課題を再度確認して明確にしておくことが肝心です。

 ここで課題をあらかじめ明確にしていることで、メーカーや営業・担当者がデモの際に語る「メリット」が本当に自施設事業所にとって課題解決につながるかどうか評価ができます。

 何も準備なしに説明だけ聞くと一見便利そうで効果があるように見えるような機能でも、導入してみたら結局使わなかった、使えないということはよく発生します。また、課題を整理し明確にしておくことで、説明時にメーカーや営業・担当に質問する内容のレベルを高くすることができます。

 より詳しく確認することができます。またデモは代表だけが聞くのではなく必ず複数名でデモを受けるようにしましょう。そして、デモの内容については、しっかりと一人ひとりメリットとデメリット、気になったことなどを全て書き出しておいて後に選定会議などで活用できるようにしましょう。その時にも複数の視点で提出されたレポートがあることでより精度の高い議論ができます。

 デモやレンタルなどが終わったら、または同時に各介護ソフトメーカーに見積依頼を行い、予定価格が揃ったところで、「介護ソフト選定会議(仮称)」を開催しましょう。個別の会議でなくても良いですが、しっかりと議論するためには他の会議の一つの議題にするよりは、プロジェクト化して独立される方が良いですが、時間も人もない中では大変なので状況に合わせて開催しましょう。

 会議には手元には複数社のカタログやパンフレット、見積書、デモに立ち会ったスタッフの記録(メリット・デメリット・気になることなどをまとめた資料)などの検討材料を元に、必ずトップから現場スタッフまで交えた複数の職員で介護ソフト選定会議を開催することが望ましいです。

 中心の論点は、ずばり「事業所が今抱えている課題」を解決できる介護ソフトかどうかです。そして、ただ課題が解決できるだけではなく、コストパフォーマンス、費用対効果に優れているかどうかについて検討することが重要です。

 もし会議が1回で完結しなければ、会議を複数回に分けて開催してもいいですし、メンバーを入れ替えながら何度か行うことも大切です。最も重要なことは、後悔しないことです。

 実際一度導入すると買い直しが難しい上、場合によっては活用されず無駄になります。そのためには、しっかりと納得いくまで介護ソフトを選ぶことができるように、一丸となって取り組むことが必要です。

 多くのスタッフが納得し、介護ソフトを導入することができれば、課題改善のツールとして得られる効果は非常に大きくなることが期待できます。

 全てをしっかりとプロセス通りに実行することは、かなりのマネジメントが必要となり大変ですが、一つでも役に立ちそうなプロセスを参考にしていただき、後悔のない良いツールの導入に繋がり、全てのサービス提供事業所でケア品質の向上に繋がることを期待します。


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