❖AI・ICT導入以前の問題の解決が先決!


2021.02.22 |投稿者:神内秀之介

 前回もご紹介しましたが、厚生労働省のホームページに介護業界の生産性向上(業務改善)のガイドラインなどが公開されています。(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198094_00013.html)

 このホームページやガイドラインなどでは、介護サービスの業務改善の上位目的を「介護サービスの質の向上」とし、業務改善に取り組む意義は、「人材育成とチームケアの質の向上」、そして「情報共有の効率化」であると考えています。単純にものづくりのように少ない投資で何かを結果を出す(生産する)ということとは違うことを示しています。

 また先程の3つの意義に資する取組を通して、「楽しい職場・働きやすい職場」を実現し、そこで働く人の「モチベーションを向上する」ことで、人材の定着・確保へつなげることを目指しています。

 あくまでも成果は「介護サービスの質の向上」と位置づけ、そこに到る着目する視点は「ヒト」が何をどう感じて如何(いかに)に快適に仕事を実行できるかということに関わるところにあると整理しています。

 実際の業務改善の目的を捉える観点は様々あり、例えば、能力や希望などに合わせた適材適所の人員配置の実施や、備品・消耗品の管理方法の見直しで職員の心身の負担を減らすことや、一つひとつの介護や支援を行う目的を明確化し見つめ直すことで、職員一人ひとりが自分の仕事のやりがいや必要性を実感しモチベーションを向上させることなどが挙げられます。

 また、業務改善の評価の観点は、「量的な効率化と質の向上」に加え、職員間での負担の偏りの是正や「平準化や標準化」も重要な取り組みになると示されています。

 令和元年の3月から先程示した厚生労働省のサイト上で公開されているガイドラインでは最終的に、介護向けに2つ(居宅サービス向け、施設サービス向け)、医療向けに1つ、の計3つのガイドラインが示されています(一部自体向けのもありますが・・・)。

 内容は、これまであまり生産性向上を意識したことのない事業所が主な対象となっており、簡易な表現と動画により今回お伝えしている生産性向上の定義やこれからお伝えする改善活動のステップや、その実践事例の三分構成をまとめたものとなっています。全体では結構分厚い冊子ですが、事例などに割かれているページも多く、ビジュアル的にも見やすく参考にしやすいかもしれません。

 見ていただけると一目瞭然なのでネタバレになりますが、実は介護ロボットやI C Tを今直ぐにどんどん活用しようということにはなっていません。ものすごく基本的な改善内容で至極当然なものがほとんどだったりしています。簡単に言えば、物や書類の整理整頓、情報共有のルール化と徹底、教育方法の見直しなどで「えっ」これだけって感じです。

 事例もよ〜く見てみれば、「連絡には一人ひとりにメールをするのではなくメーリングリストを作って一斉配信しましょう」とか、「書類の置き場所を決めておくことや色や形を揃え、テプラで明示すると書類探す時間が減るよ」といった、本当に「何億の研修費用をかけてこの報告ですか?」ってくらい当たり前のことが示されています。

 一つ一つを見ると、「なんじゃこりゃ、保育園の子どもでもわかるわい」と思ってしまうようなものも多いのですが、驚いたことに、実際にこれを実行したことで生産性が向上した事業所があるという事実が衝撃なのです。

 A I・I C Tソリューション導入云々よりもこの業界や施設・事業所では、このような当たり前のことや職員の社会人としてのマナーや生活態度ができていないことが一番の課題なのです。

 耳の痛い・目の痛い話ですが、ぜひ一度ご覧になって、A I・I C Tソリューション導入前に実際に自施設・事業所の状況を振り返ってみて、A I・I C Tソリューション導入以前に改善すべき点がないかぜひ参考にしてみてください。よろしくお願いします。


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