初めて介護事業所管理者になった人が知っておきたい10のポイント④


2021.02.07 |投稿者:神内秀之介

ポイント4】

 提供しているサービスの質をどの程度把握しているか。

 漫然と毎日毎日繰り返しサービスを提供していると、施設事業所が提供しているサービスが良いのか悪いのか、マンネリしていないだろうか。はたまたスタッフは、自分の接遇などはこれでいいのか悪いのか、わからなくなってしまうことがあります。

 提供サービスの質の向上は、P(Plan・計画策定)→D(Do・実行)→C(Check・評価)→A(Act・見直し)のサイクルを継続して実施することによって、恒常的な取組として機能していきます。

 これを具体的に示すと、提供サービスの質の向上に関する計画策定→計画実施→実施状況の評価→計画の見直し→必要があれば計画の変更、となります。

 まずは定期的に提供しているサービスを自己評価することが必要となります。また評価を行った後、結果分析及び分析内容についての検討までの仕組みが、事業所として定められ、組織的にPDCAサイクルにもとづくサービスの質の向上に関する取組が実行できる体制を構築することが必要となってきます。

 その際に、毎回評価ツールを変更したりするのではなく、同じツールを用い定点観察し比較分析ができることが重要になります

 提供サービスの内容について評価し、質の向上を進めるうえでは、実行責任者や複数スタッフによる担当制等を定め、組織としての質の向上の責任所在をはっきりさせる体制を構築する必要があります。(もちろん経営者や役員、管理者が責任を担っているのは言うまでもありませんが)

 また、そのプロセスにおいてはより多くのスタッフの理解と参画を得ることが、取組の効果を高めるためには重要です。

 さらに、サービスの質の向上において自己評価だけではなく、福祉サービス第三者評価を受審することや他事業所と相互監査を実施することなどは一つの有効な方法です。

 それぞれの評価等の結果については、改善の課題を明確にし、この解決・改善課題を計画的に取組むことが必要となります。

 そのため、評価結果を分析した結果やそれにもとづく課題が文書化され、スタッフ間で課題の共有化が図られることが求められます。

 具体的には、改善課題についてはフタッフの参画のもとで改善策や改善計画を策定し、改善のための取組を計画的に行うことが必要です。

 また、計画については、実施状況の評価を実施するとともに、必要に応じて改善計画の見直しを行うことが必要となります。

 課題の中には、設備の改善や人員配置、予算的な課題等、単年度では解決できないものが出現することがあります。これらについては、必要に応じて中・長期計画の中で、目標が段階的に解決へ向かって取組んでいくことが望ましいです。

 施設事業所が自ら提供するサービスの質向上に努める組織づくりをすすめていることが重要となります。


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