初めて介護事業所管理者になった人が知っておきたい10のポイント②
2021.01.24 |投稿者:神内秀之介
【ポイント2】
事業を取り巻く経営状況を把握してますか。
事業所は、当たり前の話ですが事業を継続することが最優先の使命です。事業所が廃業になることは、利用者や家族、地域への最大の信用失墜行為です。スタッフの人生も混乱させてしまいます。どんなに立派な理念や基本方針等があっても、事業継続ができなければ意味がありません。
ミドルマネジャーにとって、介護・社会福祉事業全体(業界)の動向、事業所が位置する地域での提供サービスに対する需要の動向、利用者数・利用者像の変化、介護福祉サービスのニーズ、潜在的利用者に関するデータ等は、事業経営を長期的視野に立って進めていくためには欠かすことのできない情報となります。
このような「必要な情報とは何か」を始めにリストアップし、利用者や売り上げが伸びない等、困った時だけではなく、常日頃アンテナを張りながら定期的に継続的に収集することが必要です。
併せて事業所の経営状況について定期的(週に1回や月に1回、四半期に1回等)に分析しておくことも、事業経営の安定性や将来展望を描くうえでも欠かせません。
具体的には、提供するサービスの内容(今のサービスは利用者や地域ニーズにマッチしているか、将来顧客のニーズにマッチするか)や、組織体制(今の業務分掌や組織で良いか・業務の量や質は適切か)や設備の整備(補修や更新は必要ないか)、職員体制(員数は適当か、心身の不良や不満などないか)、人材育成、財務状況等の現状分析を定期的及び必要時に適切に把握し分析することが必要です。
また、この事業経営をとりまく環境と経営状況の把握・分析にもとづき、経営課題を明確にし、改善等に向けて次へつながる具体的な取組を実施することが必要になります。
経営状況の把握・分析は、経営者やミドルマネジャーが責任をもって個人で実施することも必要ですが、さらに精度を上げスタッフの意識を高めるためにも組織として情報を把握共有し、分析できる体制を確立することが望ましいです。
経営状況や経営課題については、経営者や役員等の上層部との共有がなされていることはもとより、スタッフにも必要な情報が周知されていることが、経営課題の解決や改善等に向けての前提条件となります。
事業の将来性や継続性を見通しながら、利用者に良質かつ安心・安全なサービスの提供に努めることが必要です。