❖利用者のQOLも向上⁈ AI・ICT導入効果に期待
2021.01.05 |投稿者:神内秀之介
様々なシチュエーションでのA I・I C Tソリューション導入による効果や期待できることについてお伝えしたいと思います。まず初めに介護の現場での事例についてお伝えします。
例えば、三大介護と言われる排泄介護の場面において、排泄のタイミングを予測する「排泄予測デバイス」を活用し、事前の排泄のタイミングがわかれば、失禁のある利用者や入居者であっても、おむつやパットを使用していても、おむつやパットではなく、トイレでの排泄が可能となります。
また間に合わなくおむつやパッに排泄があっても素早く排泄に気がつくことができ、可能な限り早い段階でおむつやパットを交換することができ、清潔な状態を保ち利用者や入居者が気持ちよく過ごせる上、自尊心の保持や時には褥瘡発生の予防や悪化の防止にも役立てることができます。
このような機器を活用していない場合は、排泄のタイミングを把握するには、ベテランの介護スタッフの経験や知識、時には勘に頼ることも多いかもしれません。
また、かなり長い時間を掛けて記録を積み重ね、それを分析し、そこから導き出した仮説でトイレ誘導やおむつやパット交換の予測をしているかもしれません。最適なタイミングでトイレ誘導やおむつやパット交換を行うのは容易なことではありません。
また、おむつやパット交換をした時にすでに排泄があった場合には、その内容(温度や量や臭いなど)から実際の排泄した時間を推察する場合や、おむつやパットを交換したタイミングがニアリーイコールとして排泄した時間として記録されているかもしれません。
排泄の支援にかかわらず、介護の現場では定量的で正確なデータを収集することが難しく、客観的に判断・分析に寄与する(役立つ)情報を揃えることが困難である状況があります。
医療分野では当たり前になっている種々の高額医療検査機器などを揃え用いるようなことは、生活の場である介護現場にはほとんどありませんし、またそういった機器を普段の現場で活用するなんて習慣はなかなかありません。
しかし、先ほどの「排泄予測デバイス」などのI C Tソリューションを活用して情報を定量的に把握し、居宅サービス計画や施設サービス計画、またそれに紐付けされている個別支援計画(在宅系であれば訪問介護計画や通所介護計画など、施設系であれば個別介護支援計画や個別看護支援計画など)を具に変更することで、利用者や入居者のQ O Lを向上させることが期待できます。利用者や入居者の尊厳保持にもつながります。是非検討してみたいものです。