❖世代交代による価値観の変換は可能なのか?


2020.12.18 |投稿者:神内秀之介

 どんな素敵で素晴らしいモノやコトでも、それまでの過去を捨て去り、今までの道具ややり方を変えることには抵抗がつきものです。変えることができない、変わらない業界=介護・福祉の業界。これは決してこれまでの既得権益を経営者や現場のベテラン職員が守ろうとしているのではなく、簡単に言えば今までのやり方の方が楽だからです。

 今までのやり方であれば、マニュアルや手順書などを見て参考としなくても頭に入っているし、何か問題が生じそうな場合や、実際に問題が生じた場合でも経験でわかっています。これらを捨ててまで、新たな方法や価値観を導入するには、新たに勉強も必要であるし、どこに気を配り新たな注意をどこに向ければ良いのか分からない。過去の成功や経験があるからこそ、新たな技術や知識、価値観を産むものをなかなか導入できないのです。

 今までになかった新たな技術や知識、そして価値観に基づく最新のA I・I C Tソリューションの導入には必ず何かしらの抵抗が生まれます。しかもそれは、新たな権益から過去の権益を守りたいという意図や感情からだけで闇雲に抵抗するものではなく、新規技術への不信と不安から来ることが大きな理由だということが厄介なのです。

 具体的・客観的な根拠なき感情としての不信感や不安感を取り除くのは並大抵の努力ではどうすることもできません。その説得の努力だけで疲弊してしまい、現場の改善の一つのツールとしてA I・I C Tの活用を検討しているスタッフなどのモチベーションは急速に冷めてしまいます。

 また、これまでは、多くの介護・福祉の現場ではピラミッド型組織において、トップダウンによる業務命令と世代交代により働き手・支援者としての生産年齢人口の確保を担保してきました。生産年齢人口が増加する時代においては、現場でもどんどん新しい世代が入ってきて世代交代が生じ、新技術や新手法を理解している層ができ、大胆な世代交代による価値観の変換が可能でした。

 しかし、世の中の生産年齢人口が急速に減少するこれらかの時代においては、世代交代による新技術や新システムへの移行が期待できなくなります。採用される新卒者の人数は極小であり、バラバラな中途採用と雇用延長の中では、世代交代は実現せず、多くのこれまで実践してきた世代が長い期間この介護福祉業界の働き手・支援者の主役であり続けます。

 新しい世代が、潤沢には入ってこないのですから、現在現場にいるスタッフたちがいかに抵抗なくA I・I C Tソリューションを導入させるかが、成功の大きなポイントになります。


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