福祉サービス第三者評価ガイドラインを活用した介護事業経営~利用者のプライバシー保護と権利擁護で安心と信頼を届ける~


2025.08.27 |投稿者:神内秀之介

介護施設において、利用者が安心してサービスを受けられる環境を提供することは、私たちの使命です。その中で、プライバシー保護や権利擁護に配慮したサービス運営は、施設の信頼性を高めるための必須条件と言えます。福祉サービス第三者評価ガイドラインの「Ⅲ-1-(1)-②」では、この重要性が強調されています。
利用者の尊厳を守るために、プライバシー保護・権利擁護をどのように実践すべきか、一緒に深めていきましょう。

  1. プライバシー保護がもたらす安心感
    利用者のプライバシー保護とは、一人ひとりの個別空間や情報を守るだけでなく、心理的な安心感を提供することでもあります。
    例えば:
    • 個室の利用や利用者間の距離感:会話やケア中の内容が他の利用者に聞こえない工夫をする。
    • 情報管理:診療記録や家族への連絡内容等、個人情報の取り扱いを厳重に管理。
    プライバシーが守られていると信じられる環境は、利用者が「ここなら安心して自分らしく過ごせる」と感じる基盤となります。
  2. 権利擁護とは何を指すのか?
    権利擁護は、利用者一人ひとりの意見や意思が十分に尊重され、公平で自由な選択肢が保障されることを指します。権利が守られた環境は、利用者の自尊心を支える根幹となります。具体的には:
    • 意思決定の尊重:利用者が自ら選ぶ機会を最大限提供する(例:食事メニューや日々の活動内容)。
    • 暴力やハラスメントの防止:虐待や心理的負担がかからないよう、職員全員が高い倫理観を保持する。
    • 苦情対応の体制強化:声を上げやすい環境を整備し、利用者の意見を尊重して即時対応する。
    このような取り組みが、施設への信頼の向上に繋がります。
  3. プライバシー保護・権利擁護の実現に向けた取り組み例
    施設全体で取り組むべきポイントを、実践的な例とともに挙げてみましょう:
    • 徹底した情報管理
    o 職員が利用者情報を取り扱う際に個人情報保護法に基づいたガイドラインを遵守。
    o 紙媒体の記録が不要な場所に放置されないよう厳重な指導。
    • プライバシーを確保する設備改善
    o 脱衣所やトイレにはロック機能を設置し、プライバシーを守る。
    o ケア時のカーテンや衝立の使用を徹底。
    • 職員研修の実施
    o プライバシー保護や権利擁護について定期的な研修を行う。
    o 実際のシチュエーションを使ったケーススタディで意識を高める。
    • 利用者との信頼関係構築
    o 定期的なアンケートやヒアリングで、権利擁護やプライバシー保護の実感について意見を収集。
    o 意見を基にした改善策を迅速に導入する。
  4. 継続的に取り組むことが大切
    プライバシー保護や権利擁護は、一度取り組んだから終わりというわけではありません。常に改善を続け、職員全員がその意義を理解し実践することが重要です。
    例えば:
    • 苦情対応や情報管理体制の定期的な見直し。
    • 職務中の態度や言葉遣いに関する振り返り活動。
    こうした継続的な努力が、利用者が安心できる居場所の土台を築きます。

朝10分でできること
忙しい日々の中でも、朝の10分を利用して取り組みを進めることが可能です。具体的には:
• プライバシー保護や権利擁護におけるトラブル事例を共有し、学びにつなげる。
• 職員に向けて、「昨日気づいた改善点」や「利用者からの声」を共有する。
• 利用者への接し方について、一言メッセージで意識を高める:「今日も利用者の小さな声を大切に聞き取っていきましょう。」
これだけでも、現場全体での意識が向上します。

まとめ
利用者のプライバシー保護や権利擁護は、安心安全な施設を築くためだけでなく、利用者と職員、そして地域社会との信頼を高める不可欠な要素です。
「尊重と配慮で安心を届ける」。この姿勢をもとに、全員で信頼される福祉サービスを提供していきましょう。朝の10分から、この一歩を始めてみませんか? 今日のちょっとした取り組みが、利用者の生活をより豊かにする力となるはずです。

#福祉サービス第三者評価を広げたい


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