❖コミュニケーションもデジタル化?


2021.01.24 |投稿者:神内秀之介

 最近では「3密を避けて行動しましょう」なんて当たり前になってきましたね。たった1年前には想像できなかった状況ですね。まさか、こんなに価値観や生活様式の変更が余儀なくされるとは、一体誰が想像したでしょうか。非常事態には、「最悪を想定して最善に行動すべし」ですね。

 最前線で活躍する医療現場のみなさまや、高齢者や障害者などを施設・在宅などで支援するみなさま、そして生活者としてのみんなの努力が功を奏して、出口へと着実に近づいていきたいですね。

 ただ、出口が過ぎても、まんま元の生活とはいかないとは思いますが、そんな中での人と人との繋がりが希薄になることなく、乗り越えていきたいですね。1年前までは、A I・I C Tの活用なんてまだまだと思っていた方も、以前のテーマに挙げたような新たなコミュニケーション方式(オンラインビデオ通話など)を仕事でもプライベートでも活用し始めたのではないでしょうか。

 昨年は4月過ぎに自身も非常勤講師をさせていただいている大学が2校ともリモート講義となり、I C Tの活用を否応無しに強いられておりますし、仕事の打ち合わせでもzoomやteamsを活用したリモート会議・商談ばかりです。とほほ。いつの間にか視力が低下している感じがします。要注意ですね。

 A I・I C Tのコミュニケーション場面での活用に関する良し悪しや好き嫌いは、大きな括りで見ると、円滑な情報伝達によって達成される科学技術(テクノロジー)の進歩と発展とそれに伴う功利(メリット)を最大限に享受(受け入れ)するのか。

 または、生身の人間である自身の全体を相手に傾けて行う古き良き(?!)これまでの言うなればアナログ式のコミュニケーションとそれによって達成される生身の人と人の親密な社会的関係や交流関係を重要視するのかという相対的な視点です。これはもちろんどちらが良いとか絶対にそうするべきだとは一概に言えないものです。

 実際には、新型コロナウイルスによって価値観のパラダイムシフトが起こってしまったように、A I・I C T活用も避けては通れないので、A I・I C Tが世に出る前の世界には戻れないのです。ただし、二つの視点をバランスよく持たなくてはならないと思います。

 スマートフォンやタブレットなどのデイバス活用・S N Sやインターネットによるソーシャル・メディアによって、私たちが目の前にいる利用者や入居者、家族や職員同士などよりも、そういったデバイスやA I・I C T技術の便利さやそのものの持つ魅力に気を取られ、時には夢中になることよりも、元来の人間同士の直接的な「会話(アナログ的なコミュニケーション)」の持つ力を第一と捉え大切にしていくことはもちろん重要です。

 また一方で、大袈裟に言うと人類は常に新たなツール(道具)を開発しそれを柔軟に利活用することで自分たちの知識や技術、時にさまざまな能力を拡張・成長させて、社会環境や業界内の支援の方法・在り方を進歩させてきました。

 現在、少子高齢化の入り口どころか、すでに渦中にいる状況で、政府が政策の中心に位置付けている新しいA IやI C Tなどの情報関連技術も、これまでのさまざまな便利な福祉用具の発展や介護ロボットの導入などの延長上の流れに過ぎないと考えて、初めは心理的な抵抗も強いかもしれませんが、「習うより慣れろ」の精神で、むしろ新しい情報関連技術は介護・福祉の業界のなかなか解決できない課題を新しい発想で、豊かに安全な環境を構築する可能性をもたらすものだと捉える視点も重要かと思います。

 どんな支援の方法論や業務運営(ワークフロー)、活用するツール(道具)にも良い面と課題の残る両面があります。問題は、その内容が絶対的にどちらかが正しいかとか間違っているかというものではありません。その時々の環境や置かれている状況によって変化します。

 A I・I C Tソリューション自体が良し悪しというよりは、基本となる私たちがこれからのコミュニケーションの実践や支援についてどのような価値にコミットするのか、何を第一定義とするのかが問われており、あらかじめ検討し用意しておく必要があるのではないでしょうか。


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