114.チーム内の不和を解消するコミュニケーション


2025.07.26 |投稿者:神内秀之介

介護の現場は、利用者さんに最善のケアを提供するために、さまざまな個性や価値観を持つスタッフが協力し合う場です。しかし、その多様性が時に誤解や摩擦を生み出し、チーム内の不和へとつながることもあります。不和が生じた状態が長引けば、業務の効率やケアの質に影響を与えるだけでなく、職場全体の雰囲気も悪化しかねません。

そんな状況を解消する鍵となるのが、適切な「コミュニケーション」です。ただ問題を指摘するのではなく、哲学的な視点を取り入れた「人と人を繋ぐ対話」を通じて、不和を調和に変える力を育みましょう。ここでは、その具体的な方法について考えてみます。

  1. 問題の「本質」に耳を傾ける
    哲学者ソクラテスは、「真の知恵は問いから始まる」と語りました。チーム内の不和を解消するには、表面的な意見の対立に目を向けるのではなく、その背後にある「本質」を探る姿勢が重要です。

たとえば、「なぜこうした衝突が生じたのか」「その背後にある感情や価値観は何か」を丁寧に聞き取り、部下一人ひとりの思いや不安に耳を傾けること。表面的な言葉だけでなく、その人が抱える背景や感情を理解することで、根本的な解決への道筋が見えてきます。本質を探る姿勢が、不和の原因を解きほぐします。

  1. 「共感」を軸にした対話を行う
    哲学者エマニュエル・レヴィナスは、「他者の存在を受け入れることで、関係が成立する」と述べました。対立を解消するためには、ただ意見をぶつけ合うのではなく、相手の視点や価値観に共感する姿勢が必要です。

たとえば、「あなたがこう感じている理由をもっと教えてほしい」「その時、どんな状況だったのか詳しく聞かせてほしい」と声をかけることで、相手が「自分の考えや気持ちを尊重してもらえている」と感じるようになります。この共感が、対立を緩和し、前向きな対話を促します。共感は、心を繋ぎ直すための架け橋です。

  1. 「中立」な立場で調整する
    哲学者ジャン=ポール・サルトルは、「自由は他者との関係の中で実現する」と説きました。チーム内の不和を解消する際、ミドルマネジャーとして中立的な立場を保ち、公平に話を聞き、解決に向けて調整することが求められます。

たとえば、一方の意見だけに偏らず、相手側の視点や感情も平等に尊重しながら、「どちらが正しいか」ではなく「どうすればチーム全体にとって最善の解決策が見つかるか」を模索します。中立的な態度を示すことで、チームメンバーからの信頼が深まり、不和の解消に向けた土壌が整います。中立性が、公平な解決の道を開きます。

  1. 解決策を「共に考える」
    哲学者ハンス・ゲオルク・ガダマーは、「対話の中で共通の理解が生まれる」と述べました。不和を解消するためには、上から解決策を押し付けるのではなく、チーム全員が納得できる方法を「共に考える」姿勢が重要です。

たとえば、「お互いが合意できるルールを一緒に作りましょう」「どうすれば次回はスムーズに進むと思いますか?」と問いかけ、解決策を議論する場を設けます。こうした対話を通じて生まれた解決策は、当事者意識を育み、実行されやすくなります。共に考えるプロセスが、前向きな協力関係を生み出します。

  1. 成長の機会として「振り返り」を行う
    哲学者ラルフ・ウォルド・エマーソンは、「困難の中にこそ、成長の種がある」と語りました。不和を解消した後には、その経験をチーム全体で振り返り、次に活かす仕組みを作ることが大切です。

たとえば、「今回の出来事から、どうすればもっと良い連携ができるか」「これからは何を意識して働きたいか」といったテーマで話し合いを行い、チーム全体が同じ方向を向けるようにします。振り返りの習慣が、チームの成長を促し、不和を未然に防ぐ力となります。振り返りが、チームを一層強くします。

まとめ
チーム内の不和を解消するコミュニケーションのポイントは、「本質に耳を傾ける」「共感を軸にする」「中立的な立場を保つ」「解決策を共に考える」「振り返りを行う」という5つのステップに集約されます。それは、単に問題を解決するだけでなく、チーム全体の絆を深め、働きやすい職場環境を築くための道でもあります。


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