99.「調和」を育むリーダーシップ


2025.07.11 |投稿者:神内秀之介

介護の現場では、多くのチームメンバーがそれぞれの得意分野や個性を活かしながら協力し合うことが求められます。しかし、役割分担が曖昧だったり、不平等に感じられることがあると、チーム全体の調和が乱れ、信頼や効率が損なわれる場合も。ミドルマネジャーとして、メンバーが安心して役割を担える環境を作ることは、利用者さんへのケアの質を高めるための重要な役割です。ここでは、哲学的な視点を取り入れながら、チーム内の役割分担をスムーズにする方法を考えてみましょう。

  1. 「全体」と「部分」を見極める
    哲学者ゲオルク・ヘーゲルは、「全体はその部分の調和の中で存在する」と説きました。チーム全体を一つの有機体と考えるなら、それぞれのメンバーはその中の「部分」として機能しています。そのため、役割分担を考える時には、チーム全体の目的を明確にし、その中で各メンバーが果たすべき役割を整理することが重要です。

たとえば、「利用者さんの日常生活を安全で快適にする」という共通の目標を共有し、そのために「食事介助」「移動支援」「記録作成」などのタスクをリストアップ。そして、それをどのように分けるのかを計画することで、全体の流れがスムーズになります。全体の目的を意識しながら部分を割り振ることが、調和の基本です。

  1. 「得意分野」を活かす
    哲学者フリードリヒ・ニーチェは、「それぞれの人間には、固有の強みがある」と述べました。チーム内の役割分担は、メンバー一人ひとりの得意分野や性格、経験を活かすことで、よりスムーズに行うことができます。

たとえば、コミュニケーションが得意なメンバーには利用者さんや家族との対応を任せたり、記録作成が得意なメンバーにはデータ管理をお願いするなど、各自の強みを活かした役割を配置することで、仕事の効率だけでなく、メンバー自身のやりがいも高まります。強みを尊重する分担が、チーム全体の力を最大化します。

  1. 対話を通じて「納得感」を育む
    哲学者ハンス・ゲオルク・ガダマーは、「対話はすべての調和を生む」と語りました。役割分担をスムーズに行うには、一方的に指示するのではなく、メンバーとの対話を通じて「納得感」を得ることが大切です。

たとえば、役割を配分する際に、「この仕事をお願いしたいのですが、どう感じますか?」「他にやりたいタスクはありますか?」と尋ねることで、メンバー自身の意見を引き出します。これにより、役割が一方的な押し付けではなく、本人が納得して受け入れられるものとなります。納得感がある分担は、チームの一体感を高めます。

  1. 「柔軟性」を忘れない
    哲学者アルベール・カミュは、「変化を受け入れ、それに適応することで成長できる」と語りました。チーム内の役割分担は、固定的なものではなく、状況やメンバーの状態に応じて見直す柔軟性を持つことが大切です。

たとえば、「新人が増えたから、このタスクを調整しよう」「誰かが体調不良の時は、この仕事をカバーし合おう」といったように、役割を柔軟に調整する仕組みを作ることで、急な変化にも対応できる体制が整います。柔軟性を持たせることで、役割分担が負担ではなく、チームの強みとなります。

  1. 定期的に「振り返り」を行う
    哲学者ラルフ・ウォルド・エマーソンは、「振り返りの中に本当の学びがある」と説きました。役割分担が適切に行われているかどうかを確認し、改善するためには、定期的に振り返りの時間を設けることが重要です。

たとえば、週や月ごとにミーティングを行い、「今の役割分担で困っていることはないか」「もっと効率よくできる方法はないか」とメンバー全員で話し合う機会を作ります。こうした振り返りの文化が、役割分担を継続的に改善し、チーム全体の成長を促します。振り返りを習慣化することが、スムーズな役割分担の鍵です。

まとめ
チーム内の役割分担をスムーズにするためには、「全体と部分の意識」「得意分野の活用」「納得感のある対話」「柔軟性の維持」「定期的な振り返り」という5つのポイントが重要です。それは、単なる仕事の割り振りではなく、チーム全体の調和と働きやすさを育むための基盤となります。


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