58.利用者からのクレームへの適切な対応
2025.06.25 |投稿者:神内秀之介
「クレームは“信頼”への第一歩になる」
こんにちは、新人介護支援専門員の皆さん!
ケアマネージャーとしての日々の仕事の中で、利用者さんやそのご家族からクレームを受けた経験はありませんか?
例えば、こんなケースが挙げられます:
- 「説明が分かりにくい!」
- 「もっと早く対応してほしい!」
- 「サービスが思った通りじゃない!」
クレームを受けると、つい「自分が悪かったのかも」と落ち込んでしまったり、「どう対応すればいいの?」と迷ったりすることもありますよね。でも、クレームは必ずしもネガティブなものではなく、利用者さんや家族がより良いケアを求める“信号”とも考えられます。適切な対応をすることで、むしろ信頼関係を深めるチャンスになります!
今回は、ソーシャルワークの視点を基盤にした、「利用者からのクレームへの適切な対応方法」をお伝えします。ピンチをチャンスに変える考え方を一緒に学んでいきましょう!
1. クレームは“気づき”のきっかけ
まず、クレームを「否定的なもの」と捉えるのではなく、「利用者さんがより良いケアを求めている声」として受け止める視点が大切です。
① クレームは信頼の証
利用者さんやご家族が不満を伝えるのは、あなたやサービスに「期待している」からこそです。もし信頼がなければ、伝えることすらしないはず。
② サービス向上のチャンス
クレームには、ケアの質やコミュニケーションの改善につながるヒントが含まれています。「どうすればもっと良くできるか」を考えるきっかけにしましょう。
2. クレーム対応の基本ステップ
利用者さんや家族からのクレームには、冷静かつ誠実に対応することが重要です。以下の基本ステップを参考にしてください。
① 傾聴する
まずは、相手の話をしっかりと聞く姿勢を持ちましょう。
- ポイント:
- 話を遮らず、最後まで聞き取る。
- 相手の感情を否定せず、「そう感じるのも無理はない」と受け止める。
- 例:「そうだったんですね。ご不安に思われたこと、よく分かります。」
② 感謝の意を伝える
クレームを伝えてくれたことに対して感謝の言葉を伝えます。
- 例:「貴重なご意見をありがとうございます。教えていただいたおかげで、改善の機会をいただけました。」
③ 冷静に事実を確認する
感情的にならず、何が起きたのか具体的な事実を確認します。
- 質問の仕方:
- 「どの場面で不満に思われたのか、教えていただけますか?」
- 「具体的にどの点が改善できそうか、一緒に考えさせてください。」
④ 対応策を提案し、次のステップを共有する
解決策や改善策を提案し、今後の対応方針を相手と共有します。
- 例:「次回からは、このように対応させていただきます。もしご不便を感じることがあれば、すぐにお知らせください。」
⑤ 記録に残し、チームで共有する
クレーム内容や対応状況を記録し、他のスタッフやチームで共有することで、同じ問題が繰り返されないようにします。
3. ソーシャルワーク視点でのアプローチ
クレーム対応には、利用者さんの価値観や背景を理解するソーシャルワークの視点が役立ちます。
① 利用者さんの視点に立つ
利用者さんや家族がどのような状況で不満を感じたのか、その背景を考えてみましょう。
- 例:「利用者さんが不安だったのは、サービス内容が十分に伝わっていなかったからかもしれない。」
② 共感と信頼を築く
相手の感情に共感し、誠実な態度で接することで信頼関係を築きます。
- 例:「たしかに、それは心配になりますよね。一緒に解決策を考えましょう。」
③ 問題解決だけでなく、予防にも目を向ける
クレームが再発しないよう、日頃のコミュニケーションやケアプランの見直しを通じてリスクを減らす努力をします。
4. クレーム対応が信頼を築いた成功事例
事例:訪問時間のミスによる家族からのクレーム
- 背景:訪問介護の時間がスケジュール通りに行われず、家族から「どうしてもっときちんと時間通りに来られないの?」とクレームが入りました。
- 対応:
- ケアマネージャーが冷静に話を傾聴し、家族の不安を受け止める。
- スケジュールが混乱した原因を調査し、改善策を提案(スケジュール管理の強化)。
- 家族に直接お詫びを伝え、「次回からは時間厳守を徹底します」と約束。
- 結果:家族から「真剣に対応してくれてありがとう」と感謝の言葉をいただき、信頼関係が復活。
5. トラブルを予防する日頃の取り組み
① 定期的なコミュニケーションを心がける
利用者さんや家族とこまめに連絡を取り、不安や疑問を早めに解消しましょう。
② サービス内容を明確に伝える
提供するサービスやスケジュールを具体的に説明し、誤解を防ぎます。
③ チーム内で情報を共有する
スタッフ間で利用者さんや家族の状況をよく共有し、一貫性のある対応を行います。
6. 今日のまとめ:クレームは信頼構築のチャンス!
- クレームは、利用者さんからの“改善のチャンス”だと考える。
- 傾聴・共感・提案の基本ステップで冷静かつ誠実に対応する。
- ソーシャルワークの視点を活かし、利用者さんの背景や価値観を理解する。
- 日頃からのコミュニケーションを大切にし、トラブルを未然に防ぐ努力をする。
最後にひとこと!
「クレーム対応は、利用者さんとより強い信頼関係を築くためのチャンス。」
新人ケアマネージャーの皆さん、クレーム対応に戸惑うことがあっても、それを通じて利用者さんやご家族の本当のニーズに気づけることがあります。あなたの対応一つで不安を安心に変えることができるのです。これからも寄り添う姿勢を大切に、利用者さんの笑顔を増やしていきましょう!
#新人介護支援専門員
#クレーム対応のコツ
#信頼を築くケアマネジメント