14.ソーシャルワークにおける危機管理スキル


2025.05.12 |投稿者:神内秀之介

「危機管理スキル」って、どんな時に必要?

こんにちは、新人介護支援専門員の皆さん!
「危機管理スキル」と聞くと、なんだか大げさで難しそうな印象を受けるかもしれません。でも、日々の介護支援現場には、大小さまざまな「危機の芽」が潜んでいます。

例えば、こんな場面が思い浮かぶでしょうか?

  • 突然、利用者さんの健康状態が悪化した。
  • 家族との意見が対立して調整が進まない。
  • 利用者さんが予想外の行動に出た。

こうした「想定外」の出来事にどう対応するかが、ケアマネージャーとしての成長のカギ。今回は、危機的な場面で活かせるソーシャルワークのスキルや考え方を紹介します!


1. 危機管理スキルの基本は「準備力」

危機的な状況に遭遇した時、スムーズに対応できるケアマネージャーでいるためには「事前準備」がとても大切です。

  • 利用者さんの情報をしっかり把握する
    健康状態、家族関係、過去の問題行動など、利用者さんの背景を知っておくことで、予想される危機のリストアップができます。
  • 緊急時の対応フローを確認する
    万が一の時に誰に連絡するべきか、どのサービスを緊急利用できるのかを普段から把握しておきましょう。チーム全体で共有しておくと安心です。
  • 利用者と家族に事前説明を行う
    「困った場合には、こうしたサポートも用意しています」と、選択肢や対応策を事前に家族と話し合っておくことで、危機的状況をスムーズに切り抜けられる可能性が高まります。

2. 危機を見抜く「観察力」を養おう

危機は突然起きるように見えますが、実はその多くは「前兆」があります。その前兆に早く気づけるかどうかが、危機管理スキルの一環です。

  • 利用者の変化に気づく
    例:最近、急に食欲がなくなった、無口になった、表情が暗い…こうした小さな変化が、危機のサインであることも。
  • 家族の様子を観察する
    家族の疲労やイライラが表に出ている場合、介護負担が限界に近づいている可能性があります。早めに対処することで、大きなトラブルを防げます。
  • 言葉にできない不安を汲み取る
    利用者さんや家族が「なんとなく不安」と感じていることを、会話や態度からキャッチし、先回りして対応する力が重要です。

3. 危機発生時には「冷静さ」と「優先順位」がカギ

どんなに準備や観察をしても、予期せぬ危機は起こります。その時に重要なのが、「冷静さ」と「優先順位をつける力」です。

  • 冷静に状況を確認する
    パニックにならず、まず「何が起こっているか」を確認しましょう。焦って対応すると、かえって事態を悪化させることもあります。
  • 優先順位を決める
    例えば、利用者さんの体調悪化と家族のトラブルが同時に起きた場合、まずは生命や安全に直結する問題を優先して対応します。
  • 周囲に協力を求める
    危機的状況では、一人で対処しようとしないことが大切。他職種や家族、地域資源を巻き込むことで、対策を立てやすくなります。

4. 危機を乗り越えた後の「振り返り」が成長のカギ

危機が一段落した後は、必ず「振り返り」を行いましょう。これが、危機管理スキルを強化するために不可欠なステップです。

  • 良かった点と課題を洗い出す
    「この対応はスムーズだった」「ここはもっと早く対処すればよかった」など、自分自身の行動を振り返ります。
  • チームで共有する
    振り返りを多職種や家族とも共有し、今後の改善アイデアを出し合うことで、チーム全体のスキルアップにもつながります。
  • 次回の危機に向けた準備をする
    同じ状況が発生した場合に備えて、対応策をマニュアル化するのも良い方法です。

5. 危機管理スキルを養うための3つの習慣

新人のうちから取り組める、危機管理スキルを養うための習慣をご紹介します!

  • 日々の情報収集を欠かさない
    利用者さんの小さな変化や、地域のリソース状況を常に把握しておくことが、危機の早期発見・対応につながります。
  • ロールプレイで練習する
    チーム内で危機対応のシミュレーションを行うと、実際の状況でも落ち着いて対応できる力がつきます。
  • 自分自身のメンタルケアを大切にする
    危機管理には冷静さが必要。普段からストレスをため込まず、リフレッシュする習慣を持ちましょう。

今日のまとめ:危機管理スキル向上のポイント

  • 準備力を鍛える
    情報共有や緊急時の連絡先確認など、事前の準備が危機対応をスムーズに。
  • 危機の前兆を見逃さない観察力を持つ
    小さな変化やサインをキャッチして、早めに介入する。
  • 冷静さと優先順位を忘れない
    パニックを防ぎ、最も重要な課題に集中する。
  • 振り返りで次の危機に備える
    経験をチームと共有し、次回に活かす。
  • 日常からスキルを磨く習慣を持とう
    情報収集、ロールプレイ、自分のメンタルケアを習慣化。

最後にひとこと!

「危機は、ケアマネージャーとして成長するチャンス。」

たとえ予測できない事態に直面しても、落ち着いて対応し、一つひとつ乗り越えていきましょう。その経験が、あなたの自信と力になり、より頼りにされるケアマネージャーへと成長するきっかけになります!

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