福祉サービス第三者評価ガイドラインを活用した介護事業経営~サービス開始・変更の「わかりやすい説明」で安心と信頼を届ける~


2025.08.28 |投稿者:神内秀之介

介護現場では、福祉サービスの内容や方針を利用者やそのご家族にわかりやすく伝え、十分に理解してもらうことがとても重要です。特に、サービスの開始や変更時には、利用者が不安を抱えることが多いため、丁寧で明確な説明が欠かせません。福祉サービス第三者評価ガイドラインの「Ⅲ-1-(2)-②」では、この取り組みの重要性が強調されています。
利用者の安心と信頼を得られる説明を行うには、どのような工夫をすべきなのでしょうか?

  1. 丁寧な説明がもたらす「利用者の安心感」
    利用者やその家族にとって、福祉サービスに関する専門的な内容は複雑に感じられるものです。そのため、難しい用語を避け、わかりやすく説明することが利用者の安心感につながります。
    例えば、以下のポイントを意識するだけで、説明の質が大きく向上します:
    • 具体的な内容提示:サービスの目的、内容、範囲を具体的に示す(例:「入浴支援は週3回、リハビリは週2回実施します」)。
    • 料金の明確化:月額費用や追加料金、自己負担額を詳細に説明することで、誤解を防ぐ。
    • 利用者目線の視点:高齢者や家族がイメージしやすい具体例や視覚資料を活用する。
    このように、言葉だけでなく「見える化」を意識することで、利用者の理解度は大きく向上します。
  2. サービス開始や変更時に必要なポイント
    サービスの開始や変更には、不安や期待が伴います。利用者に十分な納得感を持ってもらうために、しっかりと伝えるべき情報を漏れなく説明します。具体例を挙げると:
    • なぜ変更するのか?(意義や背景の説明)
    例:「今の状況から、リハビリをもう少し強化することで生活の質がさらに向上すると考えます。」
    • 変更後の具体的な内容
    例:「これまで週に1回だった訪問サービスを、週2回に増やします。その際に新しい担当スタッフが伺います。」
    • 利用者の疑問への対応
    聞きたいことや不安に思っていることを丁寧にヒアリングし、それに応える時間を必ず設ける。
    • 文書化して確認する
    「説明したこと」「話し合った内容」を、文書化して利用者や家族に共有すると、後々のトラブルを防ぐ効果があります。
  3. 説明を「わかりやすくする」3つの工夫
    利用者に説明する際には、以下の工夫を取り入れるとわかりやすさがぐっと増します:
    • ビジュアルを活用する
    サービス内容を分かりやすくまとめた資料や図解、イラストを活用すると、視覚的に理解しやすくなります。
    • チェックリストで確認
    話した内容が全て伝わっているか、最後にチェックリストを使ってその場で確認する。「これで不明点はありませんか?」と聞くことで、利用者に質問しやすい雰囲気を作れます。
    • 家族も巻き込む
    家族が関与することで、利用者だけでなく家族全体の理解と協力を得ることができます。例えば、見学ツアーや体験会を活用するのもおすすめです。
  4. 小さな気配りで信頼が深まる
    説明のスキルだけでなく、利用者に寄り添う安心感のある接し方も重要です。たとえば:
    • 利用者のペースに合わせて会話する。
    • 「理解できましたか?」と何度も確認し、繰り返し丁寧に説明する。
    • リラックスした環境(テーブルでのお茶を飲みながら)で話を進める。
    これらの小さな気配りが、利用者との信頼関係を築く大きな鍵になります。

朝10分でできること
忙しい毎日でも、朝の10分を活用することで、説明の質を向上させる工夫ができます。例えば:
• 職員間で説明のロールプレイを実施:「もし○○な質問があれば、あなたならどう答える?」という練習を行う。
• サービス内容の統一確認:全員が同じ内容を説明できるよう、簡単な確認ミーティングを実施。
• 新しい説明資料のチェック:資料を再確認し、追加したい情報や改善点を共有する。
このような小さな取り組みが、実際の利用者説明を円滑に進める力になります。

まとめ
福祉サービスの開始や変更時に「わかりやすく説明する」ことは、利用者や家族に安心感を与え、施設との信頼関係を築くために欠かせないプロセスです。それは単なる情報の提供ではなく、利用者の未来を支えるための重要なコミュニケーションと位置付けられます。
「丁寧でわかりやすい説明が、その人の安心につながる」。この基本を胸に、朝の10分からその実践を始めてみませんか? 今日の一言が、利用者の安心につながる大きな力となるでしょう。

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