28.報告・連絡・相談の質を高める技術
2025.08.23 |投稿者:神内秀之介
〜主任ケアマネジャーが育む「チーム力の向上」〜
主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)の仕事は、利用者支援を中心としながら、チームの連携を非常に重視します。そのため、チームメンバー間の「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」は、業務を円滑に進めるための基盤となります。しかし、情報が曖昧だったりタイミングが遅れたりすると、利用者支援における判断や調整に支障をきたすことがあります。
報告・連絡・相談の質を高めるためには、ただの形式化に留まらず、丁寧で的確な「コミュニケーションスキル」が重要です。今回は、ソーシャルワークの視点を基に、主任ケアマネジャーとして実践すべき「報告・連絡・相談の質を高める技術」について考えてみましょう。
1️⃣ 「ホウレンソウ」は信頼構築の手段であると知る
日常的に行う報告・連絡・相談は、単なる情報伝達ではありません。それは、職場内の信頼関係を育むための大切な手段の一つです。「伝える・確認する」という行為を通じて、正確な情報が共有されるだけでなく、相手との絆が深まります。
• ホウレンソウがもたらす3つのメリット
o ミスや誤解を防ぐ:情報が正確かつタイムリーに共有されると、判断ミスが減少する。
o チームの一体感を醸成:共有された情報がチーム内の連携力を高める。
o 安心感を生む:上司や同僚が正確な情報を把握することで、不安感や疑念が減少する。
• ソーシャルワーク視点でのヒント
「共感(Empathy)」をベースに、報告・連絡・相談を丁寧に行うことで、相手が自分を信じてくれるという安心感を築きましょう。
2️⃣ 報告の技術:簡潔で的確に伝える
報告は、現場で起きた出来事や状況を相手に正確に伝える行為です。報告の質が高いほど、適切な指示や判断が行えます。
• 報告のコツ
o 目的を明確にする:「何を知ってほしいのか」「どう対応してほしいのか」を明確にし、要点を絞る。
o 5W1Hを活用する:Who(誰が)/What(何を)/When(いつ)/Where(どこで)/Why(なぜ)/How(どうやって)の要素を整理する。
o 結果と詳細を分ける:まず簡潔に結果を伝え、その後に必要に応じて詳細な補足を行う。
• 具体例
o NG例:「さっき利用者の様子が変でした。」
o OK例:「〇〇さんが本日12時頃、水分を取ろうとしましたが『喉が痛い』と訴えがありました。どう対応したらいいか伺いたいです。」
• ソーシャルワーク視点でのヒント
「効率性(Efficiency)」を意識し、短くても本質を捉えた報告を行いましょう。
3️⃣ 連絡の技術:スムーズに情報を共有する
連絡は、必要な情報を関係者に迅速かつ漏れなく伝えるためのプロセスです。情報が正確に伝わらなければ、利用者支援が滞るだけでなく、関係者間の信頼が損なわれるリスクもあります。
• 連絡の工夫ポイント
o タイミングを逃さない:重要な情報は、できるだけ早く伝える習慣をつける。
o 共有範囲を明確にする:誰に伝えるべき内容で、どの範囲まで共有する必要があるかを整理する。
o 言葉遣いに注意する:誤解や不安を招かないよう、丁寧な表現を心がける。
• 具体例
o NG例:「遅れています。」(何が遅れているか、詳細が不明)
o OK例:「本日予定していた訪問は、渋滞のため15分遅れて到着する予定です。」
• ソーシャルワーク視点でのヒント
「透明性(Transparency)」を保ちながら、関係者が必要な情報を確認しやすくなる環境を整えましょう。
4️⃣ 相談の技術:具体的で相手を引き出す
相談は、問題や課題を持ち込むだけでなく、解決への道筋を共同で考えるためのプロセスです。相談が上手に行われると、チーム内での協力体制が強化されます。
• 相談の進め方
o 課題を具体的に示す:「〇〇がうまくいっていない」といった抽象的な表現ではなく、背景や状況を詳細に説明する。
o 選択肢を用意する:「こうしたらどうかと思うのですが、いかがでしょう?」と自分の意見を添えることで、建設的な対話を促進する。
o 結論を確認する:相談の結果として、「次に何をすべきか」を双方で明確にする。
• ソーシャルワーク視点でのヒント
「受容(Acceptance)」を基盤に、相談相手を否定せず、共に良い解決策を探る姿勢を大切にしましょう。
5️⃣ ホウレンソウの土台を支える「信頼」の育て方
報告・連絡・相談が機能するためには、日常的な信頼関係の構築が不可欠です。お互いが安心して情報をやり取りできるような環境づくりを意識しましょう。
• 信頼を深めるアクション
o 些細なことも共有する:大きな課題だけでなく、小さな気づきや情報もこまめに共有する習慣をつける。
o 感謝の言葉を忘れない:「報告してくれて助かりました」「共有ありがとう!」と小さな感謝を示す。
o 日常的な声かけを大切に:困ったことや気になった点があればすぐに相談できるよう、話しかけやすい雰囲気をつくる。
• ソーシャルワーク視点でのヒント
「パートナーシップ(Partnership)」を基に、職員一人ひとりを大切な協力者と捉え、信頼を深める日々の積み重ねを大切にしましょう。
🌟 最後に:ホウレンソウを「チーム力」に変える
報告・連絡・相談は、職場内の単なる連絡事項ではなく、チームの力を結びつける「潤滑油」として機能します。その質を高めることで、業務効率が向上するだけでなく、職場全体の信頼感や安心感が生まれます。
主任ケアマネジャーとして、ソーシャルワークの理念を基軸に、誠実で分かりやすいコミュニケーションをチーム全体に広めていきましょう。ホウレンソウを通じて生まれる「つながり」が、利用者支援の質を根本から引き上げ、職場に一体感と絆をもたらすはずです。あなたの姿勢が、未来のチームの在り方を変えていきます!