139.自分の時間を確保するコツ


2025.08.20 |投稿者:神内秀之介

介護現場のミドルマネジャーとしての毎日は、目まぐるしく過ぎていきます。部下のフォロー、利用者さんへの対応、業務の調整と報告……。常に誰かのために動き、終わらないタスクに追われ、自分のための時間を確保する余裕などないと感じることもあるでしょう。しかし、心身を整える時間を持たなければ、やるべきことを抱え続けるうちに燃え尽きてしまう可能性があります。
「自分の時間を持つこと」は決してわがままではありません。それは、自分を大切にしながら働き続け、より良いリーダーシップを発揮するための重要な要素です。ここでは、介護現場という特別な環境の中で「自分の時間を確保するコツ」について考えてみましょう。

  1. 時間は「創り出すもの」と考える
    多忙な日々では、「時間が足りない」と感じることが常ですが、時間はどこかに隠れているのを見つけるものではなく、自分で生み出すものです。ただし、それには意識的な工夫が不可欠です。
    まずは、業務を細分化し、「何を優先すべきか」を明確にする時間を作りましょう。その際、「このタスクは本当に自分でやる必要があるのか?」という問いを投げかけ、適切に部下へ業務を委任することも大切です。全てを抱えるのではなく、チーム全体で時間を作り出す意識を持つことで、自分だけでなく全体の働き方も軽やかになります。
  2. 「小さな休息」を意識的に取り入れる
    忙しい中でも、自分の時間を確保するためには、一日の中に「小さな休息」を点在させる工夫が有効です。たった5分でも、自分だけの時間を意識的に作ることで、心をリフレッシュさせる効果があります。
    たとえば、昼休みに利用者さんの話を聞くだけで終わるのではなく、その後の5分間を使って静かに深呼吸をする時間を設ける。または、移動中にお気に入りの音楽を聴きながらリズムを整える。こうした些細な時間の積み重ねが、気づけば大きなエネルギーとなります。
  3. 「ノーと言う勇気」を持つ
    責任感の強いマネジャーほど、誰かが助けを求めるたびに応えようとしてしまいがちです。しかし、本当に自分にしかできないことと、他の誰かに任せられることを見極めることが、自分の時間を守る鍵となります。
    たとえば、部下からの相談や依頼について、「今すぐに必要なことか」「他の方法はないか」と冷静に判断し、時には「今は難しいけど、後で確認するね」と一呼吸を置く選択肢を持つこと。「ノー」と言うことは相手を突き放すのではなく、自分と相手の両方を守るための大切な手段なのです。
  4. 「未来の自分」への投資と考える
    自分の時間を確保することは、今日のためだけでなく、「未来の自分」へ向けた投資でもあります。今健康であっても、休息のない日々はやがて心身に負担をかけ、仕事自体を続けられなくなるリスクをはらんでいます。
    たとえば、月に一度のスケジュールに「自分のための時間」を明確に書き込み、それを絶対的な約束として守る。そして、その時間を使って趣味や学び、リフレッシュに充てましょう。この時間が心身の健康を保つだけでなく、視野を広げ、介護現場でのさらなる成長を支える力となるのです。
  5. 全体の「仕組み」を見直す
    自分だけでなく、職場全体として時間を効率的に使う仕組みを整備することで、職場全体の負担を軽減し、個々が自分の時間を持つ余裕を生み出すことができます。
    たとえば、デジタルツールを活用した情報共有システムや、定型業務を効率化する手段を取り入れる。また、定例会議の時間を10分短縮し、その時間をスタッフの休息に回すなど、小さな仕組みの改善がチーム全体の充実感につながります。全体の動きがスムーズであれば、個人にも余裕が生まれるのです。

まとめ
自分の時間を確保することは、「時間を創り出す意識」「小さな休息の積み重ね」「ノーと言う勇気」「未来の投資」「仕組みの見直し」という5つのステップから始められます。それは全体の効率を上げながら、自分自身を大切にし、チームの中心に立つミドルマネジャーとしての持続可能な働き方を築いていくプロセスです。


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