福祉サービス第三者評価ガイドラインを活用した介護事業経営~職員の声に耳を傾け、働きやすい職場づくりを実現する~
2025.08.16 |投稿者:神内秀之介
介護事業の現場で質の高いサービスを提供するためには、職員が働きやすい職場環境を整えることが欠かせません。そのためには、職員一人ひとりの就業状況や意向を正確に把握し、それに基づく適切な対応が必要です。福祉サービス第三者評価ガイドラインの「Ⅱ-2-(2)-①」では、この取り組みの重要性が強調されています。
では、職員の働きやすさを高めるためには、どのように就業状況や意向を把握し、職場環境を改善していけばよいのでしょうか?
- 職員の声は「最前線からのサイン」
職員の声は、現場の状況を反映した貴重な情報です。これを無視してしまうと、不満が蓄積し、やがて離職やモチベーション低下といった問題へとつながります。
例えば、「業務量が多すぎる」「シフトに偏りがある」といった職員の意見は、業務の効率化やシフト調整を進めるための重要なヒントと言えるでしょう。日頃から職員の言葉に耳を傾ける姿勢が、職場の信頼感を育みます。 - 職員の意向を把握する「仕組み」を作る
職員の意向を適切に把握するためには、情報を定期的に収集する仕組みを導入することが重要です。
以下のような方法が効果的です:
• 定期的な面談:少なくとも半年に一度、管理者と職員がじっくりと話す時間を設ける
• 匿名アンケート:職場環境や業務内容に関する悩みや希望を気軽に記入できる仕組み
• 職員意見箱:自由に意見を寄せられる物理的またはオンライン上の意見収集ポイント
これらを通じて、職員が抱えている課題や期待を明らかにすることができます。 - 「働きやすい職場」とは?
働きやすい職場とは、職員が精神的・肉体的な負担を軽減し、安心感を持って働ける環境のことを指します。それには、以下のポイントが欠かせません:
• 業務の効率化:無駄な手続きの見直し、ITの活用
• 柔軟な勤務体制:育児・介護と仕事を両立しやすい制度の整備
• メンタルヘルスへの配慮:職場のストレスチェックやカウンセリングの実施
• 公正な評価と報酬:職員の努力が報われる仕組み
こうした環境を整えることで、職員一人ひとりが「ここで働いてよかった」と思える職場を実現できます。 - 小さな「行動」で築く信頼感
働きやすい職場環境を作るためには、職員が「自分の意見が反映されている」と感じることが大切です。そのためには、小さな行動や意思決定を職員と共有しましょう。
例えば:
• 「〇〇さんの意見を採用して、この改善を行いました」と報告する
• 職員の要望を基にしたスケジュール調整やルール変更を積極的に実施する
• 日々職員の努力を認めるメッセージを発信する
こうした取り組みが、「この職場は自分の声を大切にしてくれる」という信頼感を育てます。
朝10分でできること
忙しい日々の中でも、朝の10分を活用して職場づくりの第一歩を進める習慣を取り入れましょう。例えば:
• 出勤前の職員と一言だけでも会話をかわして現場の声を聞く
• 職員の取り組みや努力をミーティングで褒める
• 前日の業務の振り返りと改善案を検討する
これらの小さなステップが、職員の職場への満足度を少しずつ高めます。
まとめ
職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場を作る取り組みは、離職率の低下や業務の効率化につながるだけでなく、質の高いサービス提供の土台となります。ミドルマネジャーやトップマネジャーとして、日常から職員の声に耳を傾け、小さな改善を積み重ねることが求められます。
「職員の声を聞き、働きやすさを形にする」。このシンプルな行動が、組織全体の成長と、利用者からの信頼につながります。朝の10分を活用して、今日からその一歩を始めてみませんか?
#福祉サービス第三者評価を広げたい