第11章『肩書きの奥にある灯・・・語られた責任が生む、安心の輪郭』


2025.08.11 |投稿者:神内秀之介

“管理者”という肩書きは、最初ただの肩書きだった。
名札に書かれてはいたけれど、日々のケアの喧騒の中で
その意味は、少し遠くにあるように感じていた。

だけどある日、園長が皆に語りかける声が静かに場を変えた。

「私は、皆さんの働く環境を整え、
業務が安全に遂行されるよう支えます。
そして、職場の声を拾い、必要な判断と責任を担います。」

その言葉には、肩書きを超えた“役割の灯”が宿っていた。
説明ではなく表明。
指示ではなく対話。
責任を語るその姿に、職員たちは不思議な安心感を抱いていた。

“誰が決定するのか”
“誰に相談できるのか”
その可視化は、協働の土台となり、運営の安定を育てるものだった。

沙耶の目には、管理者の語った“責任”が、
制度を支える人間の背骨のように映った。
それは、黙って背負うだけでは伝わらないもの。
伝えることで、皆の判断が研ぎ澄まされ、信頼が育まれていく。

役割は語られてこそ機能する。
そして語られた責任は、職員の役割理解へと自然につながる。
評価項目【10 Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。】
まさに管理者が自身の役割を理解し責任を果たしているか、組織の核がここにある。

組織の中で生きる人々へ、管理者が自らの責任を職員と言葉で確かめ合うこと。
それは、“運営”を単なるしくみにせず、
職員へ働く“安心のしくみ”として根づかせる営みなのだ。

#福祉サービス第三者評価を広げたい


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