4.チームの信頼を得るための初動戦略
2025.07.30 |投稿者:神内秀之介
主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)として新たな役割を担う皆さんにとって、最初のステップは非常に重要です。特に、共に働くチームからの信頼を得ることが、今後の成功を左右する基盤となります。今回は、ソーシャルワークの理念を基に、チームの信頼を築くための初動戦略を5つのポイントにまとめてみました。
1️⃣ 自分のスタンスを明確に伝える
信頼の第一歩は、チームに対して自分がどのようなリーダーでありたいかを明確に伝えることです。主任ケアマネジャーとしての役割や責任感、そして自分が大切にしている価値観を簡潔に言葉で示しましょう。
• 具体例
「私たちのチーム全体の成長と、利用者の生活の質を高めることが私の目標です。皆さんと一緒に考え、学び、支え合いながら取り組んでいきたいと思います。」
ソーシャルワークにおける「透明性(Transparency)」の理念を意識し、自分の考えを率直に伝えることで、安心感と信頼を生み出します。
2️⃣ まず「傾聴」から始める
主任ケアマネジャーとしての最初の仕事は、指示を出すことではなく、チームメンバー一人ひとりの声に耳を傾けることです。人は自分の話を真剣に聞いてくれる相手に対して信頼を寄せます。
• 実践のポイント
o メンバーそれぞれと面談の機会を作り、日々の仕事の中での悩みや課題を聞き出す。
o 「どんなサポートがあれば仕事がしやすくなるか」を質問してみる。
ソーシャルワークにおける「受容と無条件の肯定」の理念を実践し、メンバーが安心して意見を共有できる場をつくることが大切です。
3️⃣ 「できること」を即実行する
チームの信頼を勝ち取るには、行動力が鍵を握ります。初期段階でメンバーから得た課題や要望の中から、すぐに対応できることに着手しましょう。小さな行動でも、早期に実現することが信頼構築につながります。
• 具体例
o メンバーから「業務負担が多い」との声があれば、業務プロセスを見直して部分的な改善策を提案する。
o 情報共有不足が課題であれば、すぐに定期ミーティングの仕組みを作る。
ソーシャルワークの「行動と実践」の価値を体現することで、チームに「このリーダーは動いてくれる」と信頼を植え付けます。
4️⃣ 「チームの一員」として振る舞う
主任ケアマネジャーという肩書がつくと、つい「上司」という立場を意識してしまいがちです。しかし、チームから信頼を得るためには、まず自分が「チームの一員」であることを示す必要があります。
• 実践のポイント
o 実務や現場の課題に積極的に関与し、共に汗をかく姿勢を見せる。
o ミーティングでは上下関係を意識させず、全員が意見を出せる雰囲気を作る。
ソーシャルワークの「パートナーシップ」の理念を意識し、リーダーである前に「仲間」であることを示しましょう。
5️⃣ 成功体験を共有し、チームのモチベーションを高める
信頼は、共通の成功体験を通じて強固なものになります。チームで取り組んだ小さな成果でも、それを皆で共有し、全員で喜ぶ姿勢を大切にしましょう。
• 具体例
o 利用者から感謝の言葉があれば、チーム全体に伝え、その成果を称賛する。
o 月次ミーティングなどで、個々のメンバーの努力や成果を具体的にフィードバックする。
ソーシャルワークにおける「肯定的エンパワメント」の視点を持ちながら、チーム全体の士気を高めることで、信頼感がさらに深まります。
🌟 最後に:信頼は「行動と共感」でつくられる
主任ケアマネジャーとしての初動は、信頼構築の土台を作る重要な期間です。「傾聴」「行動」「共感」をキーワードに、ソーシャルワークの理念を実践しながら、チームの中心的存在となることを目指しましょう。
信頼は一朝一夕には築けませんが、あなたの誠実で具体的な行動は、必ずやチームに安心感と信頼をもたらします。リーダーとしての力を発揮し、チームと共に新しい未来を切り開いていきましょう!