3.リーダーとしての覚悟と姿勢


2025.07.29 |投稿者:神内秀之介

主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)としての役割は、これまでのケアマネジャーとしての経験やスキルを一段上の視点で活かす重要なポジションです。しかし、リーダーとしてチームや地域を率いるには、単なる知識や技術以上に「覚悟」と「姿勢」が求められます。今回は、ソーシャルワークの理念を踏まえながら、主任ケアマネジャーとして持つべき心構えについて考えてみましょう。

1️⃣ 覚悟:すべての変化を「自分ごと」として引き受ける
主任ケアマネジャーとして、現場や地域に生じる課題や変化を「他人ごと」ではなく「自分ごと」として捉える覚悟が必要です。現場で予期せぬ問題が起きたとき、「誰かがやってくれるだろう」ではなく、「自分が解決の糸口を探す」というリーダーシップが求められます。
ソーシャルワークにおける「エンパワメント」という概念には、人々が自らの力を引き出し変化を生み出せるよう支援する役割が含まれます。主任ケアマネジャーは、チームや地域が自立するための「触媒」として、変化を積極的に受け止める覚悟を持つことが重要です。

2️⃣ 姿勢:チームを信じ、支える「伴走者」としての在り方
リーダーとしての姿勢の一つに、チームメンバーを信頼し、支える「伴走者」の姿勢があります。主任ケアマネジャーは、指示を出すだけの「管理者」ではなく、共に走り、共に悩む「信頼の軸」となる存在であるべきです。
• 信頼することの意味
後進のケアマネジャーが課題に直面したとき、すぐに答えを与えるのではなく、「自分で考える力」を伸ばすサポートを意識しましょう。信頼と共感を基盤にした支援は、彼らが成長し、現場全体の力を底上げする礎となります。
• 伴走者の役割
ソーシャルワークの理念の一つである「パートナーシップ」を実現するためには、利用者だけでなくチーム全体に対しても、横並びの視点で対話を重ね、共に歩む姿勢が求められます。

3️⃣ 覚悟:時に「決断」を下す孤独を受け入れる
主任ケアマネジャーとしての大きな責任の一つに、「難しい決断を下す」場面が挙げられます。利用者の意思と家族の意向が衝突するケースや、チームの方針を統一する必要が生じたとき、あなたの決断が大きな影響を与えることを自覚しなければなりません。
• 決断に必要なのは「軸」
ソーシャルワークに基づく「利用者中心」の視点を軸にしつつ、同時に法令遵守やチーム全体の合意形成を見据えたバランスの取れた判断が求められます。
• 孤独を恐れない
リーダーは時に孤独を感じる瞬間もあります。しかし、その孤独を受け入れ、多角的な情報を基にした冷静な判断を下す「覚悟」が、主任ケアマネジャーとしての成長につながります。

4️⃣ 姿勢:常に学び続ける「謙虚さ」
主任ケアマネジャーになったからといって、すべてを知っているわけではありません。むしろ、リーダーとしての最大の資質は「学び続ける姿勢」にあります。変化の激しい介護保険制度や地域包括ケアの環境の中で、自らの知識やスキルをアップデートし続ける姿勢が、チームや利用者に安心感を与えます。
• 学び続ける重要性
利用者のニーズの多様化や地域の課題に対応するには、最新の制度や技術、そして多職種連携の知識が不可欠です。主任ケアマネジャーは、学ぶ姿勢そのものがチームへの良い影響をもたらすリーダー像を体現します。

🌟 最後に:リーダーシップは「行動と信頼」で築かれる
主任ケアマネジャーとしてのリーダーシップは、肩書きだけで成立するものではありません。その本質は、「覚悟を持って行動する力」と「チームや地域の信頼を得る姿勢」にあります。
社会福祉の理念に基づき、利用者・チーム・地域のために誠実にリーダーシップを発揮することで、あなたの存在は現場を支えるだけでなく、変革を促す原動力となります。「覚悟」と「姿勢」を胸に、次の一歩を踏み出してみてください。その先に輝く未来が待っているはずです。


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