初めて介護事業所管理者になった人が知っておきたい10のポイント①


2021.01.17 |投稿者:神内秀之介

【ポイント1】

 施設・事業所・みんなが目指すべき方向性が、明確になっていますか?

 そもそも介護福祉サービスの提供や経営の前提として、施設・事業所の存在意義や価値、目的や使命、役割等が明確になっていること必要です。特に、介護や福祉、保健サービスを提供する施設・事業所としては、そこに利用者の尊厳や権利擁護、自立支援に関わる姿勢が含まれている上で、明確になっていることが重要となります。

 通常、施設・事業所では、そういったものを「理念」として掲げていることが多いと思います。理念は、施設・事業所において事業経営やサービス提供の拠り所であり、様々な方向性を検討する際の根拠となります。

 また、施設・事業所のめざすべき方向性を施設・事業所内及び利用者や家族、さらには地域等に知らしめるものとなります。ですから理念は、施設・事業所が提供するサービスの内容や特性を踏まえた具体的な内容が示されていることが重要となります。

 ただし、一度掲げられた理念は普遍的表現が多く、ころころ変える性格のものでもないので、すでに理念が掲げられているところであっても、現状と合わなくなっている場合があるかもしれません。その場合は理念を変更することも検討しなければならないかもしれません。

 もし、理念が制定されていないところであれば、創業者の思いやスタッフや利用者、ステークスホルダー等からの意見をふまえて、施設・事業所の方向性を象徴するような理念を制定する必要があります。

 また、その理念に基づいて施設・事業所の利用者に対する基本的姿勢や地域やステークスホルダーとの関わり方、あるいは施設・事業所が持つ機能や特性等を具体的に示すものとして、基本方針を策定することが必要となります。

 具体的な基本方針が策定されていることによって、スタッフは自らの職務に対する意識づけや利用者への接し方、サービス提供への具体的な姿勢を論理的背景に裏付けられた明確な方向性をもって行うことができるようになります。

 また、対外的にも提供するサービスに対する基本的な考え方や姿勢を示すものとなり、事業所に対する安心感や信頼につながることにもなります。

 よって、ミドルマネジャー自身がしっかり理念や基本方針を理解していることは元より、スタッフにもしっかり理解してもらうことが重要です。そのためには、そこに認識のずれがあってはいけないので、明文化され、さまざまな機会や手段(方法)で周知されていることが必要となります。

 また、提供するサービスに対する安心感や信頼を高めることにもつながるため利用者や家族、さらには地域社会に対しても知っていただくことが必要となります。理念や基本方針は、お飾りではなく、その施設・事業所の存在根拠であり、職員一人一人についても、なぜその施設・事業所で働き、何を社会へ達成するのかの根拠です。今一度じっくり見直してみて、自身の中へ浸透させましょう。


 |  一覧に戻る | 

お問い合わせはこちら

介護経営のコンサルタント顧問契約。
経営者・理事長の経営参謀として、業務効率化から
利用者・入居者獲得まで、
様々な経営のアドバイスを行います。

営業時間:平日火曜日・水曜日・木曜日10時から16時


メールでのお問い合わせ