80.ケアマネジメントにおけるアートの活用


2025.07.17 |投稿者:神内秀之介

「アートがつなぐ、心と笑顔と生きる力」

こんにちは、新人介護支援専門員の皆さん!
ケアマネージャーとして日々利用者さんの生活やケアに向き合う中で、「もっと楽しい要素を取り入れたい」「利用者さんに笑顔を増やしたい」と考えることはありませんか?そんなとき、アートの力を使ったケアマネジメントを取り入れてみるのはいかがでしょうか?

アートは、それを楽しむ人に喜びや癒しをもたらし、コミュニケーションのツールとしても素晴らしい効果があります。絵を描く、音楽を聴く、歌を歌う、手工芸を作るなど、アートにはさまざまな形があり、利用者さんの「楽しみ」「生きがい」「その人らしい時間」を生み出すきっかけとなるのです。

今回は、「ケアマネジメントにおけるアートの活用」をテーマに、アートの持つ力や実践例、さらに新人ケアマネージャーとして何から始めれば良いかをお話しします。アートを使って、利用者さんの生活をもっと豊かにするヒントを見つけていきましょう!


1. アートの力とケアマネジメントの関係


① 心に働きかけるアート

  • アートは、言葉を超えて人の心に働きかけます。利用者さんが絵を描いたり、音楽を楽しんだりすることで、孤独感や不安感が和らぎ、心が穏やかになることがあります。

② コミュニケーションのきっかけになる

  • アートは、利用者さんと家族、ケアスタッフ、他の利用者さんとのコミュニケーションを生むきっかけになります。例えば、一緒に歌うことで笑い合ったり、絵を描きながらおしゃべりを楽しんだりと、自然な交流が生まれます。

③ 新たな生きがいを引き出す

  • アート活動は、利用者さんの「まだできること」を発見する場でもあります。「これが私の作品!」と自信を持てたり、「また作りたい!」という意欲が生まれることで、生活に彩りを加えることができます。

2. ケアマネジメントでアートを活用するための4つのポイント

アートをケアマネジメントに取り入れるためには、どのようなことを意識すれば良いのでしょうか?以下のポイントを参考にしてみてください。


① 利用者さんの興味や経験を知る

  • まずは、利用者さんが過去にどんなアートや趣味に親しんでいたのかを知ることがスタートです。興味のある活動を提案することで、無理なく楽しんでもらうことができます。
  • 質問例
    • 「昔、絵を描いたり歌を歌ったりしていましたか?」
    • 「手を動かして何か作るのがお好きですか?」

② 簡単に楽しめる内容から始める

  • 初めてアート活動に取り組む場合は、簡単で気軽にできる内容を提案しましょう。負担にならないことが大切です。
    • 手描きの塗り絵やぬりえ本。
    • 簡単に作れる折り紙やペーパークラフト。
    • 好きな音楽を聴きながら体を揺らす簡単なリズム運動。

③ 他の人と共有できる場を作る

  • アート活動は、一人で楽しむだけでなく、他の人と共有することでさらに大きな喜びにつながります。地域のサロンやデイサービスのプログラムに取り入れてみるのもおすすめです。
    • デイサービスで「アート展示コーナー」を作り、利用者さんの作品を飾る。
    • 地域の文化イベントや展示会に参加する。

④ 専門スタッフや地域資源を活用する

  • アート活動のプロや地域ボランティアとの連携も、アートを広げるための大きな力になります。地域の音楽講師やアート教室を探してみましょう。

3. 実践例:アートで利用者さんの生活が変わった成功ストーリー


エピソード:認知症を持つ80代男性が笑顔を取り戻した活動

  • 背景
    認知症を持つ80代男性Hさんは、自宅での生活が続き孤立感が大きく、表情も暗くなりがちでした。息子さんから「何か楽しめることを見つけてあげたい」と相談を受けました。
  • ケアマネのアプローチ
    • 興味のあるアートを探る
      Hさんが昔、歌うことが好きだったと聞いたケアマネは、地域の音楽療法プログラムを提案。
    • 初めてのサポート
      初回はケアマネが付き添い、施設スタッフと連携してHさんが安心して参加できるようサポートしました。
    • 活動を生活に取り入れる
      毎週1回、音楽療法に通うことを生活の一部にしました。
  • 結果
    Hさんはプログラムの中で「ふるさと」などの懐かしい歌を歌い、少しずつ笑顔を見せるようになりました。「久しぶりに楽しい時間を過ごせた」と語り、今では趣味として家でも歌を口ずさむようになりました。

4. 新人ケアマネへのエール:アートを活用してみよう!


① 難しく考えず、小さなことから始めてみよう

  • アートは、特別なスキルがなくても楽しめるものです。まずは利用者さんと一緒に塗り絵や歌など、シンプルなものから始めましょう。

② 地域の資源を探してみよう

  • 地域のアート教室や趣味のサークル、音楽療法のプログラムなどを探し、利用者さんの生活に取り入れてみましょう。ケアマネが地域の「つなぎ役」になることがカギです。

③ 利用者さんが楽しんでくれることを大切に

  • アートが得意かどうかは関係ありません。利用者さんが「楽しめる」「やりがいを感じられる」ことを重視しましょう。

5. 今日のまとめ:ケアマネジメントにおけるアートの力

  • アートは、心を癒し、生活に彩りを加える大きな力を持つ。
  • 利用者さんの興味や経験をヒントに、小さな活動からスタートしよう。
  • 地域の資源や他者とのつながりを活用して、活動を広げる工夫を。
  • アートを通じて、利用者さんの生活の質を向上し、“その人らしい暮らし”をサポートしよう!

最後にひとこと!

「アートは、心の扉を開き、笑顔を運ぶカギ。」

新人ケアマネージャーの皆さん、アートをケアマネジメントに取り入れることで、利用者さんの生活に新しい喜びを提供することができます。大がかりなことをしなくても構いません。小さな活動が大きな変化を生むきっかけになります。アートの力を信じて、利用者さんと一緒に創造的な時間を過ごしてみましょう!

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#ソーシャルワークで広がる笑顔


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