104.職場の雰囲気を良くする習慣


2025.07.16 |投稿者:神内秀之介

介護の現場は、利用者さんにとっての「住まい」であり、そこで働くスタッフにとっても「暮らしの一部」と言える場所です。職場の雰囲気が温かく、協力し合える環境であれば、利用者さんもスタッフも自然と笑顔が増え、より良いケアを提供できるでしょう。しかし、忙しい日々の中で、チームの雰囲気がギクシャクしたり、緊張感が高まる瞬間も訪れるものです。

そんなときこそ必要なのが、職場の雰囲気を良くするための「習慣」を育むこと。今回は、哲学の視点を取り入れながら、職場の雰囲気をより良いものにするための方法について考えてみましょう。

  1. 「挨拶」を大切にする
    哲学者エマニュエル・レヴィナスは、「他者への尊重は、出会いの瞬間から始まる」と語りました。職場の雰囲気を良くするための最初の一歩は、シンプルでありながら最も効果的な「挨拶」です。

たとえば、「おはようございます」「お疲れ様でした」という言葉に、相手の存在を尊重する気持ちを込めること。目を見て、笑顔で挨拶をするだけで、相手が安心感や親しみを感じられるようになります。挨拶は、小さな行為に見えて、職場全体の空気を変える大きな力を持っています。

  1. 「感謝」を言葉にする
    哲学者ラルフ・ウォルド・エマーソンは、「感謝は心を豊かにする行為だ」と述べました。忙しい現場では、感謝の気持ちを持ちながらも、あえて言葉にしないまま過ぎてしまうことがあります。しかし、「ありがとう」の一言が、職場の雰囲気をポジティブに変える鍵となります。

たとえば、「助けてくれてありがとう」「この記録、すごく分かりやすかったよ」といった具体的な感謝の言葉を伝えることで、相手は「自分の努力が認められている」と感じることができます。感謝の習慣が、チーム全体の信頼と連帯感を高めます。感謝を伝える言葉が増えるほど、職場の温かさも増していきます。

  1. 「小さな対話」を大切にする
    哲学者ハンス・ゲオルク・ガダマーは、「対話は関係性を深める力を持つ」と説きました。日々の業務が忙しい中でも、ちょっとしたやり取りや雑談を通じて生まれる「小さな対話」が、職場の雰囲気を和らげるきっかけになります。

たとえば、「今日はどうですか?」「この仕事、上手くいってますね」といった短い会話でも、相手との関係を深める効果があります。また、利用者さんのケアに関する意見交換やコツの共有も、コミュニケーションを活性化させる助けになります。小さな対話を積み重ねることが、職場の雰囲気を穏やかで協力的なものにします。

  1. 「笑顔」と「ユーモア」を取り入れる
    哲学者アルベール・カミュは、「人間の本質は笑いにある」と語りました。介護の現場は責任の重い仕事が多いからこそ、笑顔やユーモアを取り入れることで、職場の空気を軽やかに保つことが大切です。

たとえば、利用者さんとの会話の中でユーモアを交えたり、休憩中にスタッフ同士で笑顔あふれる会話を楽しむことで、心の余裕が生まれます。ピリピリした空気が漂いがちなときほど、笑顔やちょっとした冗談が、その場を和ませる力を発揮します。笑顔とユーモアは、雰囲気を変える最強のスパイスです。

  1. 「余白」をつくる
    哲学者セネカは、「休息は心を整え、活力を生む時間だ」と述べました。職場の雰囲気を良くするためには、働きすぎを防ぎ、心と体に余裕を持たせる仕組みが必要です。

たとえば、忙しい時間帯が続く中でも、短い休憩を挟むことで、スタッフ一人ひとりがリフレッシュできる環境をつくる。また、ミーティングや申し送りの際に、少しの時間を使って意見交換や笑顔が生まれる場を意識的に設けることで、緊張をほぐす余白が生まれます。余白がある職場は、心地よい空気感を育てます。

まとめ
職場の雰囲気を良くする習慣は、「挨拶を大切にする」「感謝を言葉にする」「小さな対話を増やす」「笑顔とユーモアを取り入れる」「余白をつくる」という5つのポイントに集約されます。それは、特別なスキルや努力を伴うものではなく、日々の中で少し意識するだけで実践できるシンプルな方法です。


 |  一覧に戻る | 

お問い合わせはこちら

介護経営のコンサルタント顧問契約。
経営者・理事長の経営参謀として、業務効率化から
利用者・入居者獲得まで、
様々な経営のアドバイスを行います。

営業時間:平日火曜日・水曜日・木曜日10時から16時


メールでのお問い合わせ