69.課題解決の先にある「幸福」の定義
2025.07.06 |投稿者:神内秀之介
「ケアマネの仕事は、幸福をデザインすること」
こんにちは、新人介護支援専門員の皆さん!
ケアマネージャーとして働く中で、「どうすれば利用者さんや家族にとって最善のケアが提供できるのか」と日々頭を悩ませていることでしょう。問題を解決することはもちろん大切ですが、その先にあるのが、「利用者さんにとっての幸福」です。
では、その「幸福」とは一体なんでしょうか?
介護の現場では、幸福の形は千差万別であり、利用者さんがどんな価値観を持ち、どんな生活を送りたいと思っているかによって異なります。ケアマネージャーの役割は、課題を解決するだけではなく、その人にとっての「幸福」を見つけ、それを実現するためのサポートをすることです。
今回は、「課題解決の先にある幸福とは何か?」をテーマに、ケアマネジャーとしての視点や心構えについて考えてみましょう。
1. ケアマネージャーと「幸福」のつながり
① 幸福の定義は人それぞれ
- 誰にとっても同じ「幸福」の形があるわけではありません。ある人にとって幸せなことが、別の人にはそうではないことがあります。ケアマネージャーとしては、「その人にとっての幸福は何か」を見つけることが重要です。
- 例:
- 趣味の時間を取り戻すことが幸福な人。
- 家族との時間を大切にしたい人。
- 自分らしく最後まで生活したい人。
② 幸福の実現がケアのゴール
- ケアプランを作る際、ただ課題を解決するだけではなく、利用者さんが「こうだったら幸せだな」と思える未来を描くことを目的にしましょう。課題を解決することは、その一歩に過ぎません。
③ 幸福の土台は尊厳を守ること
- 利用者さんの価値観や希望が尊重されることで初めて、その人にとっての幸福が実現します。そのためには、ケアマネージャーが利用者さんの声をしっかりと聴き、寄り添う姿勢が欠かせません。
2. 課題解決の先にある「幸福」を見つける3つのステップ
① 利用者さんの「価値観」を知る
- 幸福を見つける第一歩は、その人が何を大切にしているか、どんな生活を送りたいと思っているかを理解することです。
- 具体的な質問例:
- 「これまでで一番楽しかったことは何ですか?」
- 「昔の生活で大切にしていたことはありますか?」
- 「今の生活で改善したいことは何ですか?」
② 現実的な目標を設定する
- 幸福を実現するためには、現実的かつ達成可能な目標を設定することが重要です。利用者さんと一緒に、どんな形でその目標を実現するかを話し合いましょう。
- 例:
- 「毎日散歩がしたい」という希望→歩行器を使ったリハビリを提案し、散歩を実現。
- 「家族との時間を増やしたい」という希望→デイサービスを利用して家族の介護負担を軽減し、笑顔で過ごせる時間を確保する。
③ 小さな成功を積み重ねる
- 幸福を実現するためには、一気に大きな変化を目指すのではなく、小さな成功を積み重ねていくことが大切です。利用者さんにとって「できた!」という経験が幸福感を高めます。
- 例:
- 初めてリハビリに参加できた。
- デイサービスで友達ができた。
- 趣味の時間を少しずつ取り戻せた。
3. 実践例:「幸福」を実現したケアマネのストーリー
エピソード:80代男性が「もう一度家庭菜園をしたい」と願ったケース
- 背景
男性Kさん(80代)は、自宅の庭で家庭菜園を楽しむことが生きがいでしたが、体力が衰え、庭仕事ができなくなってしまいました。「もう一度野菜を育てたい」という希望を語るものの、家族は「無理しないで」と反対していました。 - ケアマネのアプローチ
- 価値観を共有
ケアマネはKさんの「野菜を育てることで生きがいを感じる」という価値観に共感し、家族にもその思いを伝えました。 - 現実的なプランを提案
小さなプランターを使い、軽作業でできる菜園を提案。訪問介護員の力を借りて、適切なサポート体制を整えました。 - 目標を適宜調整
最初は小さなハーブを育てることから始め、徐々に野菜に挑戦するプランを設定しました。
- 価値観を共有
- 結果
Kさんはプランターでの家庭菜園を楽しむようになり、自分の育てたハーブを家族にプレゼントすることで笑顔が増えました。「少しずつでもできることが増えていくのが嬉しい」と喜びを話してくれました。
4. 新人ケアマネへのエール:「幸福」を一緒に見つけよう!
① 利用者さんの小さな声を見逃さない
- どんなに小さな希望や願いでも、それを大切にすることが幸福を見つける第一歩です。
② 完璧を目指さず、一緒に進む
- 幸福を実現するには時間がかかることもあります。一緒に試行錯誤し、一歩ずつ進むことを楽しんでください。
③ 自分の心にも余裕を持つ
- ケアマネージャー自身が心に余裕を持つことで、利用者さんの幸福をより深く考えられるようになります。時には「自分の幸福」も見つめ直してみてください。
5. 今日のまとめ:「幸福」を目指すケアマネジメント
- 幸福の定義は人それぞれ。利用者さんの価値観や希望を中心にケアを考えよう!
- 課題を解決するだけでなく、その先の「その人らしい生活」を実現するための目標を設定。
- 小さな成功を積み重ねることで、利用者さんの幸福感を引き出そう!
- 幸福をデザインするケアマネージャーとして、利用者さんの笑顔を増やそう!
最後にひとこと!
「課題を解決するだけではなく、幸福をデザインするケアマネジャーでありたい。」
新人ケアマネージャーの皆さん、目の前の課題を解決するだけでなく、その先にある「その人らしい幸福」を描くことが、ケアマネの本当の役割です。利用者さんと一緒に幸福を見つけ、形にしていく過程を楽しんでください。あなたのサポートが、誰かの人生をより豊かにする力になります。一緒に「幸福の追求者」として成長していきましょう!
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