67.包括的な価値観を持ったケアプランの作り方
2025.07.04 |投稿者:神内秀之介
「その人らしい生活をデザインする、ケアプランの力」
こんにちは、新人介護支援専門員の皆さん!
ケアマネージャーの仕事の中心であり、最も重要な業務のひとつが「ケアプランの作成」ですよね。でも、毎日の業務の中で、「本当に利用者さんや家族にとってこれが最善のプランなのか?」と悩むこともあるのではないでしょうか?
ケアプランとは、単なるサービスの組み合わせではありません。
それは、利用者さん一人ひとりの価値観や希望を反映し、その人がその人らしく生きるための“未来の設計図”だと言えます。今回は、「包括的な価値観を持ったケアプランの作り方」について考えてみましょう。利用者さんの笑顔に繋がるケアプラン作りのヒントをお届けします!
1. 包括的な価値観を持ったケアプランとは?
まず、「包括的な価値観を持ったケアプラン」とはどのようなものかを整理してみます。
① 利用者さんの価値観を中心に置く
- ケアプランの中心となるのは、利用者さん自身が何を大切にしているか、どんな生活を送りたいと思っているかという「その人の価値観」です。
② 医療・介護・生活全体をバランスよく考える
- 包括的なケアプランでは、身体的なケアだけでなく、心理的なサポート、社会的なつながり、そして日常生活の充実など、利用者さんの「生活全体」を視野に入れることが大切です。
③ 現状だけでなく未来を見据える
- 現在の課題を解決するだけでなく、将来的にどのような生活を実現できるのか、その目標を描くプランであることが求められます。
④ 多職種と連携し、統一感のあるケアを提供する
- 一人で作り上げるのではなく、多職種の専門性を活かしながら利用者さんのニーズに応えることが重要です。
2. 包括的なケアプランを作るための4つのポイント
包括的なケアプランを作るためには、どのような視点や工夫が必要なのでしょうか?以下のポイントを意識してみましょう。
① 利用者さんの声をしっかり聴く
- 利用者さんの希望や価値観をしっかり引き出すことが、包括的なケアプランの土台となります。
- 質問例:
- 「どんな生活を送りたいですか?」
- 「昔好きだったことをもう一度試してみたいと思いますか?」
- 「何か不安に感じていることはありますか?」
② 家族や周囲の意見も取り入れる
- 利用者さんだけでなく、家族や支援者からの意見も聞くことで、より現実的かつバランスの取れたプランが作れます。
- 例:利用者さんが「外出を楽しみたい」と言っている場合、家族にも協力をお願いし、外出支援サービスを導入するなど具体的な行動につなげる。
③ 地域資源を活用する
- 地域の福祉サービスやボランティア活動など、利用者さんを支えるリソースを最大限活用しましょう。
- 例:地域のサロンや趣味のグループを紹介することで、社会参加の機会を提供する。
④ 多職種で「その人らしさ」を共有する
- チーム全体で利用者さんの希望や価値観を共有することで、一貫性のあるケアが実現します。ケア会議や日々の連絡を通じて、全員が同じ方向を向いてサポートできるようにします。
3. 実践例:包括的なケアプランが利用者さんを笑顔にした話
エピソード:自宅での「庭いじり」を叶えたケアプラン
- 背景
一人暮らしの70代女性Mさんは、要介護2。認知症の初期症状が見られますが、「庭いじり」が生きがいで、自宅で過ごす時間を大切にしています。しかし体力が低下し、庭仕事が難しくなりつつある状況でした。 - ケアマネの取り組み
- Mさんの価値観を確認
ケアマネはMさんから「庭いじりをしている時が一番幸せ」という言葉を聞き、これをケアプランの基盤にしました。 - 家族やヘルパーとの連携
Mさんの娘と相談し、訪問介護員に「庭仕事のサポート」を依頼。 - 地域資源を活用
地域の園芸ボランティアグループを紹介し、Mさんが気軽に相談できる環境を整えました。
- Mさんの価値観を確認
- 結果
定期的に庭いじりを楽しめるようになったMさんは、心身ともに元気を取り戻し、認知症の進行も緩やかに。「庭で花を育てるのが毎日の楽しみになりました」と笑顔で語ってくれました。
4. 新人ケアマネへのエール:包括的な価値観を持つケアプランを目指して!
① 小さな声に耳を傾けよう
- 利用者さんの言葉の中には、その人を支える大切なヒントが隠れています。「こんなこと言っても無理かな」という小さな希望も大切にしましょう。
② 他職種との連携を楽しむ
- ケアプランは、多職種との連携が鍵です。他職種の意見を取り入れることで、新しい視点やアイデアが生まれます。
③ 失敗を恐れず、利用者さんと一緒に作る
- 完璧なプランを目指そうとせず、利用者さんと試行錯誤しながら「どれが最適解か」を探していきましょう。それ自体が価値あるプロセスです。
5. 今日のまとめ:包括的なケアプランを作るために
- 包括的なケアプランとは、利用者さんの価値観や希望を中心に据えた未来の設計図。
- 利用者さんの声をしっかり聴き、家族や周囲の意見、多職種の力を取り入れることが重要。
- 地域資源を最大限活用し、利用者さんの生活全体を支える視点を持つ。
- 試行錯誤しながら、利用者さんの「その人らしい生活」を目指そう!
最後にひとこと!
「ケアプランは、“その人らしい人生”を支えるための未来の設計図。」
新人ケアマネージャーの皆さん、あなたが立てたケアプランが利用者さんの笑顔につながる瞬間は、きっと大きなやりがいとなるはずです。包括的な価値観を大切にしながら、利用者さんと共にその人らしい未来をデザインしていきましょう!一緒に、より良いケアマネジメントを実現していきましょう!#新人介護支援専門員
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