❖むやみにAI・ICTソリューションを導入しても・・・費用が無駄に?
2020.12.21 |投稿者:神内秀之介
AI・ICTソリューションを導入する際にはどのような視点を持って検討していけば良いのでしょうか。ます第一にスタッフ間、もちろん施設長や経営者(層)なども含めて共通理解・共通認識しておく必要がある事柄として、これまで何度もブログでお伝えしていますが、A IもI C Tソリューション機器などもそれ単体では、全ての課題が解決できる万能の魔法のランプなようなものではなく、あくまでも一つの道具(ツール)であるということです。
道具である以上、使い手である介護・福祉職員が何を期待して、どのような使い方をするかによって、その効果・利用価値に差が生じてきます。いかに利便性が高い道具でも、導入しただけで業務効率が上がったり、スタッフの負担が減ったり、スタッフの定着率が改善されたり、日常の様々な課題が解決するわけではありません。
例えば、日常業務で最も多く発生する業務の一つが、「業務の記録」です。何らかの課題を抱えている事業所や施設も少なくないところだと思います。記録については、種類も多いですし、それにまつわる課題も多岐に渡ると思います。
アセスメント力や書き方、その内容・指導など色々ありますが、記入の時間短縮や効率化を目的に、解決手段としてタブレット端末やスマートフォンなどの導入を検討することが結構あると思います。
しかし、これまでいくつか見てきた事例の中では、そもそもタブレット端末やスマートフォン端末の機器操作の得意・不得意や、思考を文章化することなどの得意・不得意、またはそれまでの記録に係る教育・研修不足から、スタッフ各々の諸背景(バックグランド)に差が大きい場合、結果として紙媒体記録よりもI C T機器を使った方が余計に時間を使うことや、スタッフの間で一部の業務効率にさらに偏りが広がるケースなども多く見受けられました。
このようなケースでは、最終的に、紙媒体記録に戻ってしまい、それまでにかけたさまざまな費用が無駄になってしまっていることもありました。これでは本末転倒です。費用だけではなく、一番大切な時間と職員のモチベーションや期待も失ってしまいます。