79.学び続けるための良い習慣


2025.06.21 |投稿者:神内秀之介

介護の現場は、日々新しい課題と向き合う場所です。利用者さんのニーズは一人ひとり異なり、ケアの方法や技術も絶えず進化しています。そんな中で、学び続ける姿勢は、介護職としての成長を支えるだけでなく、自分自身の人生を豊かにする重要な習慣でもあります。では、どのようにすれば「学び続ける」ことを習慣化できるのでしょうか?哲学的な視点を通じて、その方法を考えてみましょう。

  1. 「知らない」を受け入れる謙虚さを持つ
    哲学者ソクラテスは、「無知の知」を説きました。これは、「自分が知らないことを知っている」という謙虚さを指します。学び続けるためには、まず「自分にはまだ知らないことがたくさんある」ということを受け入れることが大切です。

介護の現場でも、「もっと良いケアの方法があるのでは」「この利用者さんにはどんな言葉が響くだろう」と、自分の知識やスキルに限界を感じる瞬間があるでしょう。それをネガティブに捉えるのではなく、「新しいことを学ぶチャンス」と捉える姿勢が、次の一歩を後押しします。謙虚さを持つことが、学びの扉を開くのです。

  1. 日々の「気づき」を記録する
    哲学者セネカは、「人生の教訓は日々の中にある」と述べました。忙しい毎日の中で、ふと「こうすればもっと良くなる」「この対応は成功だった」と気づく瞬間があります。それを見逃さず、記録する習慣を持つことが学びを深める大きな力となります。

たとえば、小さなノートやスマホのアプリに、その日の気づきをメモするだけでも十分です。「利用者さんが笑顔になった理由」「先輩から教えてもらったアドバイス」など、日常の中の学びを蓄積することで、自分だけの知識の財産が作られていきます。「記録する」という行為が、学びを形に残す第一歩です。

  1. 読む、聞く、見る――情報に触れる習慣を持つ
    哲学者デカルトは、「考えることが人間を人間たらしめる」と言いました。しかし、それは情報に触れることでさらに深まります。学び続けるためには、さまざまな情報源から知識を取り入れる習慣を持つことが欠かせません。

たとえば、介護に関する専門書を読む、研修やセミナーに参加する、経験豊富な同僚の話を聞く。さらに、利用者さんから日々の中で学ぶことや、動画やオンラインコースで最新の知識を得ることも効果的です。「どこからでも学ぶ」という姿勢を持つことが、常に新しい視点を得る鍵となります。

  1. 学びを「共有する」ことで深める
    哲学者ハンス・ゲオルク・ガダマーは、「対話こそが理解を深める」と語りました。学びは一人で完結するものではなく、他者と共有することでさらに深まります。

たとえば、学んだことを同僚との話し合いで共有したり、利用者さんへのケアに活かすことで、知識が「実践的な力」へと変わります。また、他の人からの意見やフィードバックを通じて、自分では気づかなかった視点に出会うこともできます。学びを共有することは、職場全体の成長にも繋がる「好循環」を生む行為です。

  1. 小さな行動を積み重ねる
    哲学者アリストテレスは、「優れた行動は習慣から生まれる」と説きました。学び続けるための良い習慣を作るには、一度に大きなことを目指すのではなく、小さな行動を毎日積み重ねることが重要です。

たとえば、1日5分だけ情報を調べる、1週間に1つだけ新しいことを試してみる、1カ月に1冊だけ専門書を読む――こうした小さな行動の積み重ねが、「学びが当たり前の習慣」へと変わります。小さな一歩が、あなたを未来の大きな成長へと導くのです。

まとめ
学び続けるための習慣は、「謙虚さ」「記録」「情報収集」「共有」「小さな行動」という5つの要素から成り立っています。それは、介護職としてのスキルを磨くだけでなく、自分自身の成長を感じ、より豊かな人生を作り上げる大切な道しるべとなるでしょう。


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