38.地域包括ケアにおけるケアマネージャーの役割


2025.06.05 |投稿者:神内秀之介

「地域包括ケア」って、ケアマネにとってどんな意味がある?

こんにちは、新人介護支援専門員の皆さん!
「地域包括ケア」という言葉、皆さんも日々耳にすることが多いですよね。これは、超高齢社会を迎えた日本で、高齢者が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けるための重要な仕組みです。

でも、実際に「ケアマネージャーとして地域包括ケアの中で自分が何をするのか?」と考えたとき、少し迷うこともあるかもしれませんね。

そこで今回は、「地域包括ケアにおけるケアマネージャーの役割」について分かりやすく解説しながら、やりがいを感じられるヒントをお届けします!


1. 地域包括ケアシステムとは?

まず、地域包括ケアシステムの基本をおさらいしておきましょう。


① 地域包括ケアシステムの目的
地域包括ケアシステムは、高齢者が住み慣れた自宅や地域で最期まで安心して生活を送れるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援を一体的に提供する仕組みです。


② 5つの柱
地域包括ケアシステムは、以下の5つの柱で構成されています:

  • 住まい:自宅やサービス付き高齢者向け住宅など。
  • 医療:かかりつけ医や訪問診療、訪問看護など。
  • 介護:訪問介護やデイサービスなど。
  • 生活支援:買い物支援や地域ボランティア、見守り。
  • 介護予防:健康維持やフレイル予防プログラムなど。

これらを地域全体で支える仕組みが、地域包括ケアシステムの骨格です。


2. ケアマネージャーが担う4つの役割

地域包括ケアシステムの中で、ケアマネージャーには欠かせない重要な役割があります。それは、高齢者やその家族を中心に据え、地域のさまざまなリソースやサービスをつなぐ「調整役」としての存在です。


① 利用者さんの願いを汲み取る「聞き役」
利用者さんやそのご家族が「どんな生活を送りたいか」を丁寧に聞き出し、希望を尊重したケアプランを作成します。

  • 例:Aさんは「自宅で暮らし続けたい」と希望。一方で家族は「施設が安心」と考えている場合、双方の意見を調整しながら自宅生活を続けるための支援を模索します。

② 医療や介護サービスをつなぐ「コーディネーター」
ケアマネージャーは、訪問介護、訪問看護、デイサービス、リハビリなど、利用者さんに必要なサービスを適切に組み合わせ、スムーズに提供されるよう調整します。

  • 例:定期的な訪問看護を導入しつつ、デイサービスでの入浴支援を組み合わせるなど。

③ 地域の力を引き出す「つなぎ役」
地域のボランティアや活動団体、自治体のサポートを組み合わせて、利用者さんの生活をより豊かにします。

  • 例:買い物や散歩の付き添いなど、地域の力を借りることでケアの幅を拡げます。

④ 利用者さんと家族の「安心を支える相談役」
ケアマネージャーは、利用者さんやその家族にとって頼れる相談相手でもあります。困った時に気軽に相談できる存在であることで、利用者さんや家族の安心感を高めます。


3. 実例:地域包括ケアの中で輝くケアマネージャーの役割


事例:75歳女性Bさんの場合

  • 背景:Bさんは軽度の認知症を抱えながら、自宅で一人暮らしをしています。自宅での生活を望む一方で、日常生活の中で食事や掃除が負担になり、家族も心配している状況。
  • ケアマネの対応
    • 聞き役:Bさんの「できる限り自宅で暮らしたい」という希望を尊重。
    • コーディネーター:訪問介護で食事や掃除をサポートし、デイサービスで週に2回の入浴支援を提案。
    • つなぎ役:地域の見守りボランティアを紹介し、毎日簡単な声かけをしてもらう仕組みを構築。
    • 相談役:家族に現状を説明し、定期的な報告を行い安心感を提供。
  • 結果:Bさんは安心して自宅での生活を続けられ、家族の不安も軽減。地域全体で支えるケアが実現しました。

4. 新人ケアマネージャーへのアドバイス


① 地域を「知ること」から始める
地域包括ケアの実現には、まず自分が担当する地域の資源を知ることが大切です。地域包括支援センターや自治体、医療機関などを訪ねてリソースを把握しましょう。


② 利用者さんと家族の声をよく聞く
利用者さんやその家族が何を望んでいるのか、普段の生活で何が困っているのかをしっかり聴き取ることが、良いケアプラン作成の第一歩です。


③ 多職種連携を積極的に行う
医療、介護、福祉の専門職だけでなく、地域のボランティアや住民との連携も重要です。ケアマネージャーとして積極的にコミュニケーションを取ってみましょう。


④ 自分一人で抱え込まない
地域包括ケアは、一人で支えるものではなく、地域全体で支える仕組みです。困った時は、地域包括支援センターや同僚、先輩にも相談してみましょう。


5. 今日のまとめ:地域包括ケアにおけるケアマネの役割

  • 利用者の希望や意見を尊重し、寄り添う「聞き役」。
  • 医療・介護・福祉をつなぐ「コーディネーター」として活躍する。
  • 地域の力を引き出し、ケアの幅を広げる「つなぎ役」。
  • 利用者と家族に安心感を提供する「相談役」として信頼を築く。

最後にひとこと!

「地域包括ケアシステムの中で、ケアマネージャーは“架け橋”になる存在。」

新人ケアマネージャーの皆さん、一人ひとりの利用者さんの声に耳を傾け、地域全体と連携しながら支援を作り上げていきましょう。その努力が、利用者さんとその家族に大きな安心と笑顔を届けます!

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