59.「ひとりではない」からこそできるケアの力


2025.05.31 |投稿者:神内秀之介

介護の現場は、利用者さん一人ひとりに寄り添うだけでなく、チームで支え合いながらケアを提供する仕事です。それは、個々の力以上に、互いの得意分野を活かし、協力することで成り立っています。しかし、チームで働くというのは言葉ほど簡単ではなく、時に意見の違いやコミュニケーションの難しさを感じることもあるかもしれません。そんな時、大切にしたい心構えをいくつかご紹介します。

  1. 「目的」を共有する意識を持つ
    チームで働く上で最も重要なのは、「共通の目的」を持つことです。それは、利用者さんの生活をより良いものにすることであり、安心感や健康を支えること。その目的を常に意識することで、小さな違いや衝突を乗り越え、全員が同じ方向に向かって進むことができます。「目的のために今何が必要か」を考え、行動する姿勢を持ち続けることが、チームの一体感を生み出します。
  2. 「違い」を受け入れる心を持つ
    チームには、性格や価値観、経験が異なる人たちが集まります。その「違い」を否定するのではなく、むしろ多様性を強みに変える視点を持ちましょう。あるスタッフが得意とすることが、他のスタッフの苦手分野を補うことだってあります。例えば、「コミュニケーションが得意な人」「記録が丁寧な人」「緊急対応に強い人」――それぞれの得意分野をチーム全体で活かすことで、ケアの質はさらに高まります。「違いこそがチームの力を生む」という考え方を心に留めてください。
  3. 「報告・連絡・相談」を怠らない
    チームで動く介護現場では、正確でタイムリーな情報共有が欠かせません。「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」を丁寧に行うことで、利用者さんの状態やケアの状況がスムーズに共有され、必要な対応が迅速に取れるようになります。また、困ったことがあれば早めに相談することで、チーム全体が動きやすくなります。「自分ひとりで抱え込まない」という意識を持つことが、チーム全体の負担軽減に繋がります。
  4. 「感謝と言葉」を忘れない
    忙しい日々の中で忘れがちなのが、同僚への感謝を言葉にすることです。たとえば、「あの対応、助かりました」「これをやってくれてありがとう」――そんな一言があるだけで、職場の空気がぐっと良くなります。チームで働く上では、お互いの努力や支え合いを認め合うことで、より安心して意見を言い合える雰囲気が生まれます。「ありがとう」の一言が、チームの活力を引き出す大切なエネルギーになるのです。
  5. 「自分の役割」を理解し、全体を見渡す視点を持つ
    チームの中では、それぞれに役割が割り当てられていますが、時には自分の役割だけでなくチーム全体の動きを意識することが求められます。自分が今やるべきことをきちんと果たした上で、「他に手伝えることはあるか」「チーム全体がスムーズに動いているか」を考える視点を持つことで、チームワークがより強固なものになります。

まとめ
介護の現場でのチームワークは、一人ひとりの力を合わせることで、利用者さんにとって最善のケアを提供するための要です。共通の目的を持ち、多様性を受け入れ、情報を共有し、感謝を伝え合う――こうした心構えを持つことで、チーム全体がより良い方向へ進むことができます。


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