55.まずは覚えておきたい基本的な用語


2025.05.27 |投稿者:神内秀之介

介護の現場で働く際、最初にぶつかる壁のひとつが「専門用語」です。利用者さんのケア計画や現場での申し送り、他職種との連携など、さまざまな場面で頻出するこれらの言葉を理解していないと、話についていけないことがあるかもしれません。しかし、基本的な介護用語をしっかり押さえておけば、自信を持って仕事を進めることができ、現場でのコミュニケーションもスムーズになります。ここでは、初心者がまず覚えておきたい介護の基本的な用語をいくつかご紹介します。

  1. アセスメント
    「アセスメント」とは、利用者さんの状態や状況を把握し、必要なケアを考えるための情報収集・評価のことです。たとえば、「食事がうまく進まない原因をアセスメントする」といった使い方をします。利用者さんに適したケアを提供するための第一歩となる重要なプロセスです。
  2. ケアプラン
    「ケアプラン」は、利用者さんが必要とするサービス内容や目標を明確にした計画書を指します。具体的には、「どのような介護サービスを提供し、どんな生活を目指すのか」を記載したものです。ケアマネジャーやチームメンバーがこのプランに基づいて支援を行います。
  3. ADL(Activities of Daily Living)
    ADLは「日常生活動作」のことを表します。これは、食事や入浴、排泄、着替えなど、人が日常生活を送るために必要な基本的な動作を指します。利用者さんのADLのレベルを把握することで、どのような介助が必要かが分かります。
  4. IADL(Instrumental Activities of Daily Living)
    ADLに対して、IADLは「手段的日常生活動作」を指します。例えば、買い物や掃除、料理、薬の管理など、生活をより豊かにするための動作です。IADLの評価は、利用者さんの自立した生活をどの程度サポートする必要があるかを考える際の参考になります。
  5. バイタルサイン
    「バイタルサイン」とは、利用者さんの生命に関わる重要な指標のことです。具体的には、体温、脈拍、血圧、呼吸数などを指します。これらを定期的に確認することで、利用者さんの健康状態を把握し、体調の急変を早期に察知することができます。
  6. インフォームドコンセント
    「インフォームドコンセント」とは、利用者さんやその家族に対して、ケアや治療の内容を分かりやすく説明し、同意を得ることです。これは、利用者さんの意思を尊重し、信頼関係を築くために欠かせないプロセスです。
  7. 誤嚥(ごえん)
    「誤嚥」とは、食べ物や飲み物が誤って気管に入り込むことを指します。高齢者や嚥下障害のある方に多くみられる症状で、窒息や肺炎の原因になることがあります。食事介助を行う際には、誤嚥を防ぐための注意が必要です。
  8. リハビリテーション
    「リハビリテーション」は、身体機能の回復や維持を目指す訓練や療法を指します。利用者さんのQOL(生活の質)を向上させるために、リハビリの重要性を理解し、他職種と連携を図ることが重要です。
  9. QOL(Quality of Life)
    「QOL」とは、「生活の質」を意味します。単に身体の健康状態だけでなく、利用者さんがどれだけ充実感や満足感を持って生活できているかを評価する指標です。介護職員としては、利用者さんのQOLを最大限に高めるケアを提供することが目標となります。
  10. ターミナルケア
    「ターミナルケア」とは、終末期を迎えた利用者さんが穏やかに過ごせるよう、身体的・精神的な苦痛を和らげるケアを指します。利用者さんの最期の時間を尊厳を持って支援する重要な役割です。

まとめ
これらの用語は、介護の現場で日常的に使われる基本的なものばかりです。最初はなじみがなくても、少しずつ覚えていくことで、現場での仕事がスムーズになり、利用者さんへのケアにも自信を持つことができるようになります。


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