22.ケーススタディを活用した学習方法


2025.05.20 |投稿者:神内秀之介

「ケーススタディ」、学びの力を最大化する方法とは?

こんにちは、新人介護支援専門員の皆さん!
日々の業務に追われ、勉強の時間を作るのはなかなか大変ですよね。「もっと実践に役立つ知識を身につけたい」と思っても、どこから手をつければよいのか迷うこともあるでしょう。

そんな時におすすめなのが、ケーススタディを活用した学習方法です。ケーススタディとは、実際の事例を基にしたシミュレーション学習のことで、リアルな場面を想定しながら、解決策を考える力を養うことができます。

今回は、新人ケアマネがケーススタディを使って効果的に学べる方法をご紹介します!


1. ケーススタディで学ぶことのメリット

ケーススタディを取り入れると、座学では得られない「実践力」が身につきます。以下のようなメリットが期待できます。


① 現場での「即戦力」がつく
実際のケースを元に学ぶことで、現場で起きる課題に対する対応力が鍛えられます。「こういう場面でどう対応すべきか」という具体的なイメージが持てるようになります。


② 複雑な場面をシミュレーションで経験できる
例えば、利用者さんと家族の意見が対立した場合や、多職種と連携がうまくいかなかった場合など、難しい場面をあらかじめケースで学ぶことで、実践時に落ち着いて対応できる自信がつきます。


③ 自分の考えを整理する力がつく
事例を基に自分なりの解決策を考えるプロセスで、「何を優先すべきか」「どのように話を進めるべきか」を体系的に考える力が養えます。


2. ケーススタディの具体的な活用方法

では、実際にケーススタディをどのように学習に取り入れるかを見てみましょう。


① まずは「事例を集める」ことから始める
ケーススタディをするためには、まず事例が必要です。

  • 研修や勉強会で配布される事例資料
  • 過去のケアマネジャーの成功・失敗事例を記録した本
  • ケアマネ同士の意見交換やSNSで共有されるケース

これらから、自分が興味を持てる事例を集めてみましょう。


② 事例を読み解く際のポイントを押さえる
ケーススタディを進める際、以下のポイントを意識して事例を読み解きましょう:

  • 課題の特定:利用者さんの生活や環境にどんな課題があるのか?
  • 関係者の意見や背景を理解:利用者さん、家族、多職種の関係性や希望は?
  • 制約条件を確認:時間やコスト、サービスの選択肢など、何が制約となっているか?
  • 可能な解決策を考える:どんな支援の選択肢があるかを整理。

③ 自分なりの解決策を考える
課題が明らかになったら、「自分ならどうするか?」を考えてみましょう。
例えば:

  • 「家族と利用者さんの意見が対立している場合、双方の希望に折り合いをつけるための会話の進め方」
  • 「利用者さんの安全と希望のどちらを優先すべき場面での判断基準」

このプロセスが、ケアマネージャーとしての考え方を育てる基盤になります。


④ 答え合わせをする
ケーススタディの解決策を考えたら、実際の対応例や先輩ケアマネの意見と照らし合わせましょう。答えが1つではない場合もありますが、他の人の視点を知ることで、視野が広がります。


3. ケーススタディの進め方:具体例を使って学ぶ

ここで、簡単な事例を一緒に考えてみましょう。


事例:要介護2の利用者Aさん(80代・男性)の希望

  • 背景:Aさんは「家で暮らし続けたい」と希望しているが、家族(息子)は「施設に入居してほしい」と考えている。
  • 課題:家族が不在がちなため、Aさんの自宅生活をサポートするのが難しい。訪問介護サービスも検討しているが、息子は経済的な負担を懸念。

この場合、「自分ならどうするか?」を考えてみましょう:

  • 課題の特定
    • Aさんの希望(自宅生活の維持)と経済的な制約が対立している。
    • 家族がAさんの希望を十分理解していない可能性がある。
  • 解決策の例
    • 訪問介護やデイサービスを組み合わせて、家族の負担を軽減するプランを提案する。
    • 福祉制度について家族に情報提供し、負担軽減策を共有する。
    • Aさんと息子の間で、希望と現実について丁寧に話し合う場を設定する。

4. ケーススタディを学び合う場を作る

個人で学ぶのも効果的ですが、ケーススタディは他の人と意見交換をしながら進めると、より学びが深まります。おすすめの学びの場としては:

  • 研修会や勉強会:共有された事例を基にディスカッションを行う。
  • 職場内での事例検討会:複数のケアマネと一緒に、実際の事例を振り返る。
  • オンラインコミュニティ:SNSやフォーラムで事例を共有し、他の意見を取り入れる。

5. ケーススタディ学習を続けるコツ

  • 少しずつ取り組む
    短い事例から始め、慣れてきたら少しずつ複雑なケースに挑戦しましょう。
  • 自分で書き出してみる
    実際に自分の担当ケースを事例として記録し、後から振り返るのも効果的です。
  • 失敗も楽しむ
    ケーススタディは学びの過程なので、「最善の答えが出なくてもOK!」という気持ちで取り組みましょう。

今日のまとめ:ケーススタディを活用するポイント

  • 実際の事例を基に学ぶことで、即戦力が身につく。
  • 課題を特定し、自分なりの解決策を考えるプロセスが重要。
  • 他者と意見交換することで、新しい視点を得られる。
  • 事例を振り返る習慣をつけると、現場対応力がグンと上がる!

最後にひとこと!

「ケーススタディは、実際の現場で使える学びの宝庫。」

焦らずに、一つひとつの事例から少しずつ学んでいけば大丈夫です。学びの積み重ねが、あなたを頼りになるケアマネージャーへと成長させてくれます!

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