48.初めての介護現場での不安を乗り越える方法


2025.05.20 |投稿者:神内秀之介

初めての介護現場。期待や意欲がある一方で、誰もが「自分に務まるのだろうか」「失敗したらどうしよう」といった不安を抱えるものです。けれど、そんな時こそ、中国の哲学者・墨子が説いた「兼愛」「非攻」「節用」の教えをヒントにしてみませんか?これらの考え方は、初めての場でも心を落ち着け、不安を前向きな力に変える指針を与えてくれるはずです。

「兼愛」――すべての人を平等に愛する心を持つ
墨子の「兼愛」とは、特定の人だけでなく、すべての人を平等に愛し、大切にするという教えです。介護の現場では、利用者さんや同僚、上司、そして自分自身に対しても「兼愛」の心を持つことが、不安を乗り越える第一歩となります。利用者さんに対して、「まだ経験が浅いけれど、一生懸命に向き合おう」という気持ちを持つことで自然とコミュニケーションが深まり、信頼が生まれます。同時に、自分にも優しく、「失敗しても学びのチャンス」と考えることが、プレッシャーを軽減するポイントです。

「非攻」――攻撃的にならず、積極的に協力を求める
墨子は「非攻」を説き、攻撃的な姿勢を戒めました。介護現場でも、初めての環境にいるとつい「自分がすべてをやらなくてはならない」と孤立しがちですが、困った時には同僚や先輩に素直に協力を求めることが大切です。助けを求めることは決して弱さではなく、チームワークを活かしてより良いケアを提供するための一環です。また、職場で何か意見の食い違いがあっても、攻撃的な態度を避け、相手の意図を理解しようとする姿勢を持つことで、良い人間関係を築くことができます。

「節用」――無駄を省き、自分のエネルギーを大切にする
墨子の「節用」とは、資源やエネルギーを無駄にしないという教えです。介護の現場では、心と体のエネルギーが最大の資源です。慣れない環境では無理をしすぎてしまうこともありますが、自分の体力や精神力を消耗しすぎないように意識することが重要です。特に最初は、「完璧を目指すよりも、できることから少しずつ」と考えてみましょう。また、仕事に優先順位をつけたり、周囲の力を借りることで、無駄な力を使わず効率的に動けるようになります。

まとめ
墨子の「兼愛」「非攻」「節用」は、初めての介護現場での不安を乗り越えるための大切な視点を与えてくれます。利用者さんや同僚、自分自身を愛する心を持ち、攻撃的にならず協力し、無駄を省いてエネルギーを効率的に使うこと。これらを心に留めて一歩ずつ進んでいけば、初めての現場でもその不安はやがて自信に変わるでしょう。


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