15.倫理的ジレンマへの取り組み方
2025.05.13 |投稿者:神内秀之介
「倫理的ジレンマ」って?ケアマネの悩みどころ
こんにちは、新人介護支援専門員の皆さん!
ケアマネージャーの仕事をしていると、利用者さんやその家族、多職種との間で「どうするのが正解なんだろう…」と思う場面に出くわすことがありますよね。それがいわゆる「倫理的ジレンマ」です。
例えば…
- 利用者さんの希望(自宅で生活したい)と家族の希望(施設への入居)が食い違う場合。
- 利用者さんの安全を考えて必要な支援を提案しても、本人が断固として受け入れない場合。
- ケアマネージャーとしての専門性を重視したいが、多職種チームの中で他の意見と衝突してしまう場合。
こうしたジレンマに直面すると、どう対応するべきか迷い、時には心が疲れてしまうことも…。でも安心してください!倫理的ジレンマは誰もが経験するものです。今日は、この「もやもや」と向き合い、解決に近づくためのコツをお伝えします。
1. ジレンマに向き合う4つの基本ステップ
倫理的ジレンマに対処するには、感情に流されず冷静に整理することが大切です。以下の4つのステップを試してみてください。
①「何がジレンマなのか」を明確化する
まず、「どの部分において葛藤が生じているのか」を洗い出しましょう。
- 利用者さんと家族の意見が対立しているのか?
- 法律や制度と倫理の間にズレがあるのか?
- 自分自身の価値観が影響しているのか?
問題を具体的に言語化するだけで、解決策が見えやすくなります。
② 利用者さんの意思と権利を最優先に考える
ソーシャルワークの基本理念である「自己決定権の尊重」を軸に考えてみましょう。利用者さんがどんな生活を望んでいるのか、その権利を守るにはどうすれば良いのかが判断のポイントになります。
ただし、自己決定が本人や周囲の危険を伴う場合もあります。その際は、チームや家族と協力して「どう安全を確保できるか」を考えましょう。
③ 多職種や家族と意見を共有する
ジレンマに直面した時、一人で抱え込まず周囲の意見を聞くことが大事です。違う立場や視点を持つ人と話すことで、予想外の解決策や新しい視点を得られることがあります。以下を意識して共有を進めてみましょう:
- 問題を冷静かつ客観的に説明する。
- 共有の場では批判ではなく「建設的な意見交換」を心がける。
- 利用者さんの利益を中心に話し合いを進める。
④ 専門職としての倫理観に照らし合わせる
ケアマネージャーとしての役割やソーシャルワークの価値観に立ち返りながら、「自分がすべきこと」を確認しましょう。特に重要なのは以下のポイントです:
- 利用者さんの尊厳と権利を守る。
- 誰か一人だけでなく、関係者全員の利益を考えたバランスを取る。
- 自分の良心に照らして「誠実に対応できたか」を問い続ける。
2. 感情に振り回されないためのコツ
倫理的ジレンマに直面すると、感情的に疲れてしまうことがありますよね。でも、冷静に対応するためには感情に流されないことが大切です。こんなコツを試してみましょう!
- 「第三者視点」を意識する
あなたが今抱えているジレンマを、まるで他人のケースとして考えてみてください。「自分が他のケアマネにアドバイスするならどう言うか?」と考えると、冷静に判断しやすくなります。 - 信頼できる先輩や同僚に相談する
自分の感情を整理するためにも、先輩ケアマネや同僚に話を聞いてもらいましょう。「あなただけが悩んでいるんじゃないよ」という安心感が得られるはず。 - 完璧を求めすぎない
ジレンマの解決に「これが100%正解」という答えは存在しないこともあります。重要なのは、利用者さんや家族、多職種に誠実に向き合い、ベストな努力をすることです。
3. 「倫理的ジレンマ」は成長のチャンス!
倫理的ジレンマに悩むことは、新人ケアマネージャーとして成長するための大切な経験でもあります。ジレンマを乗り越えた経験は、あなたの判断力や対応力を磨き、より信頼されるケアマネージャーへと導いてくれるでしょう。
こんな姿勢を持って乗り越えていきましょう:
- 自分の限界を認めて「学び続ける姿勢」を忘れない。
- 一つひとつの経験を振り返り、次のケースに活かす。
- 「利用者さんのために」という真摯な思いを軸に行動する。
4. 倫理的ジレンマへの取り組み方:要点まとめ
- ジレンマの明確化
問題の具体的な要素を洗い出し、整理する。 - 利用者の意思と権利を最優先に
自己決定権を尊重しつつ、安全も考慮する。 - 多職種や家族と連携する
周囲の意見を取り入れ、新しい視点での解決策を探る。 - 専門職としての倫理観を確認する
自分の行動がプロフェッショナルとして誠実であるかを問い続ける。 - 感情を整理し、冷静に対応する
第三者視点や相談を活用し、感情に流されない。
最後にひとこと!
「倫理的ジレンマを感じる時、それは利用者さんや家族に真摯に向き合っている証拠。」
安心してください。一つひとつのジレンマに向き合い、少しずつ経験を積むことで、あなたらしいケアマネージャーの姿が見えてきます。焦らず、誠実に、一歩ずつ進んでいきましょう!
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