8.エンパワーメントを促進するケアマネージャーの役割
2025.05.06 |投稿者:神内秀之介
「エンパワーメント」って何?ケアマネージャーにとっての魔法の言葉
こんにちは、新人介護支援専門員の皆さん!
「エンパワーメント」という言葉、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?でも、実際にそれが何を意味して、どうやってケアマネ業務に活かすのか迷っている方もいるかもしれませんね。
一言で言うなら「エンパワーメント」とは、「利用者さんが自分の力で自分らしい生活を送るための力を引き出すこと」。
今日は、ケアマネージャーがエンパワーメントをどう促進できるのか、その役割や具体例をわかりやすくご紹介します!
1. エンパワーメントの最初の一歩は「気づくこと」
エンパワーメントを促進するためには、まず「その人が持っている力に気づくこと」が重要です。
利用者さんが抱える課題は一見すると多く見えますが、どんな人にも「できること」「得意なこと」が必ずあります。
例えばこんな場面:
- 事例:80代のAさんが、最近「もう何もできない」と言うことが増えた。
- ケアマネージャー(あなた!):「でも、Aさんってずっとお裁縫が得意だったんですよね?」
- Aさん:「ああ、昔はよくやってた。でも今は…」
- ケアマネージャー:「もし小さな修繕でもやれたら、また楽しめるかもしれませんね!」
利用者さんが目の前の課題に気を取られて忘れている「強み」を見つけ出し、それを思い出させてあげるのが、エンパワーメントへの第一歩です。
2. できないことではなく「できること」に目を向ける
ケアマネージャーの役割は、利用者さんができないことをカバーするだけではありません。
むしろ、利用者さん自身が「自分でできること」に目を向け、実践できる環境を作るのが重要です。
たとえば:
- 家事が難しくなった利用者さんに対して、全てを介護サービスに任せるのではなく、「食器を拭く」や「タオルをたたむ」など、小さな役割を提案してみる。
- デイサービスで参加できる簡単な活動を取り入れることで、利用者さんが「自分も役に立てる」という感覚を持てるようにする。
こうした「できること」に目を向ける支援が、利用者さんの自信とやる気を引き出します。
3. 利用者さんの「意思」を尊重する姿勢
エンパワーメントの基本は、利用者さんの「自己決定」を尊重することです。
ケアマネージャーが一方的に「これをやりましょう」というのではなく、「これをやりたい、これができる」を引き出し、共にプランを作ることが大事です。
例えば:
- ケアプランを作る際に、利用者さんの意見をきちんと聞き、「やりたくないこと」「無理なこと」を無理に押し付けない。
- 小さな選択肢でも、「今日はどのデイサービスに行きたいですか?」「どんなお食事を楽しみたいですか?」と選ぶ場面を増やす。
利用者さんが自らの意思で選び、自分の人生をコントロールできる感覚を持つことが、エンパワーメントにつながります。
4. サポートする「伴走者」としてのケアマネージャー
エンパワーメントを促進するケアマネージャーは、利用者さんと一緒に課題を解決していく「伴走者」です。
これは「すべてをしてあげる人」ではなく、「力を引き出すパートナー」であるということ。
具体的には:
- 利用者さんが新しいことに挑戦する際のサポートや応援をする。
- 時には失敗や挫折があっても、それを一緒に乗り越える姿勢を見せる。
伴走者として寄り添うことで、利用者さんは安心して前向きに進むことができます。
5. 小さな成功体験を積み重ねるサポート
エンパワーメントのカギは、利用者さんが「自分にできた!」と思える小さな成功体験を積み重ねることです。
たった一つの成功でも、それが次の挑戦への自信や力になります。
例えば:
- 「今日は初めて外出して、デイサービスに参加できた!」
- 「少し時間がかかったけれど、自分で食事を用意できた!」
こうした小さな一歩を認め、褒めてあげることが、利用者さんの自信とエンパワーメントにつながります。
今日のまとめ:エンパワーメントを促進するケアマネージャーの役割
- 利用者さんの「強み」を発見し、それを活かす。
- できない部分ではなく、「できること」に目を向ける。
- 利用者さんの「意思」と「自己決定」を尊重する姿勢を大切にする。
- 課題を一緒に乗り越える「伴走者」として寄り添う。
- 小さな成功体験を積み重ねて、自信と希望を育む。
最後にひとこと!
「利用者さんが前向きな一歩を踏み出せるのは、あなたがその力を引き出しているから。」
エンパワーメントはケアマネージャーが持つ素晴らしい魔法の力です。焦らず、利用者さんのペースとともに、少しずつその力を引き出していきましょう!
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