35.先の見えない時代の事業計画


2025.05.07 |投稿者:神内秀之介

介護業界は、少子高齢化や技術革新、社会情勢の変化など、まさに先の見えない時代の真っ只中にあります。「次に何が起こるかわからない」「どの方向に向かうべきか迷う」といった悩みは、事業運営を担う者にとって避けられない課題です。しかし、古代ギリシャの哲学者プラトンの「イデア論」に触れると、そんな不透明な未来に対しても揺るがない指針を見出すためのヒントが得られるかもしれません。

真理は変わらず、普遍的なもの
プラトンは、世界の真理は人間が勝手に決めたものではなく、普遍的で絶対的に存在していると考えました。同じように、介護事業においても、どれだけ世の中が変化しても揺らがない本質があります。それは「利用者さん一人ひとりの尊厳を守る」「人に寄り添うケアを提供する」という普遍的な価値です。外部環境や技術が変わっても、この本質を見失わないことが、どんな時代にも通じる強い事業計画の基盤となります。

永遠のイデアを見据えて計画を立てる
プラトンは、誰もが永遠不滅の「イデア」、つまり究極の理想を知る可能性を持っていると説きました。介護事業においても、目の前の課題に追われるだけでなく、「私たちはどんな未来を作りたいのか?」「目指すべき理想のサービスとは何か?」といった普遍的なイデアを見据えることが重要です。その大きな目標が定まれば、現実の計画が多少揺らいでも、組織全体が方向性を見失うことはありません。

善きものを求める「エロース」の力
プラトンは、人間が善きものを求める情熱を「エロース」と表現しました。介護事業における未来づくりにも、この「エロース」の力が必要です。ただ単に利益を追求するのではなく、「利用者さんにとって最高のケアとは何か?」「スタッフが誇りを持てる職場をどう作るか?」といった善きものを求める情熱を持つことで、目指すべき未来への道筋が自然と見えてくるはずです。その情熱に基づいた行動が、事業の方向性を正し、先の見えない時代にも確かな発展をもたらします。

まとめ
プラトンの哲学が教えてくれるのは、時代がどれだけ不安定であっても、普遍的な真理や理想(イデア)を追求することの重要性です。介護事業においても、「目指すべき理想」を見据え、善きものを求める情熱を持つことで、変化に動じない強い事業計画を立てることができます。


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