34.落ち込んでしまう時こそ
2025.05.06 |投稿者:神内秀之介
介護の現場では、忙しさや思うようにいかない出来事から、つい気持ちが沈んでしまうこともあるでしょう。「なんだか今日はやる気が出ない」「どうしてこんなに疲れるんだろう」と感じる日もあるかもしれません。そんな時、フランスの哲学者アランが教えてくれる「幸福になるための決意」という考え方が、心を軽くしてくれるヒントになるかもしれません。
「雨音」を見つける心の余裕を持つ
アランは、「雨が降ると、無数の雨樋から雨音が聞こえて美しい」と言いました。一見すると嫌われがちな雨も、よく耳を澄ませばその美しさに気づくことができます。同じように、介護の現場でも、大変だと感じる日々の中に「雨音」のような小さな美しさを見つけることができるかもしれません。例えば、利用者さんの笑顔や「ありがとう」の一言、同僚が気遣ってくれた瞬間――こうした小さな出来事に目を向けることが、落ち込んだ心をそっと癒してくれるのです。
不機嫌の原因を体から探る
アランはまた、「不機嫌さの原因は体の不調からきていることが多い」と述べています。介護という仕事は、身体的にも精神的にも負担がかかりやすい仕事です。十分な休息が取れていなかったり、偏った食生活が続いていたりすると、それが知らず知らずのうちに不機嫌や落ち込みに繋がっていることがあります。落ち込んだ時は、自分の心だけでなく体にも目を向け、「少し休息を取ろう」「栄養のあるご飯を食べよう」といったケアを意識してみましょう。
幸福になるための「決意」を持つ
アランは、「私たちは放っておくと不機嫌になりがちだ」と指摘しました。そして、幸福になるためには、それを選び取る「決意」が必要だと言います。介護の現場でも、ただ感情に流されるのではなく、「今日は利用者さんの笑顔を一つでも多く見つけよう」「皆で協力して気持ち良く仕事をしよう」といった小さな目標を決めることで、幸福の方向に自分を導くことができます。その選択が、仕事の充実感にも繋がります。
まとめ
落ち込んでしまう時は、ただその感情に埋もれるのではなく、アランの哲学を取り入れ、自分を前向きにする小さな工夫をしてみましょう。「雨音」のような美しい瞬間を見つけ、不機嫌の原因を探り、幸福になる決意を持つ。その積み重ねが、大変な介護の現場でも、心穏やかに働ける日々を作り出します。
