33.介護現場で本当の安定を手に入れる


2025.05.05 |投稿者:神内秀之介

介護の現場では、予測不能な出来事や多様な人々との関わりの中で、心を揺さぶられる瞬間が少なくありません。「今日は思うようにいかなかった」「つい怒ってしまった」「どうしてこんなことを言われなきゃいけないんだ?」と感じることもあるでしょう。しかし、古代ギリシャの哲学者ゼノンが説いた「理性による自己コントロール」の考え方を取り入れることで、感情に振り回されることなく、自分自身を高める方法が見えてくるかもしれません。

理性を活かして、動じない自分を作る
ゼノンは、「人間はこの宇宙の原理である世界理性(ロゴス)から理性的に考える力を分け与えられている」と考えました。つまり、私たちには本来、感情や衝動に流されず、理性的に物事を判断する力があるということです。介護の現場で起こる突発的な出来事やストレスフルな状況に対しても、「なぜこれが起こったのか」「自分はどう対応すれば良いのか」と一歩引いて考えることで、冷静に対処できるようになります。理性を活かすことで、日々の中で動じない安定した自分を作ることができるのです。

有害な衝動から解放されるには
ゼノンはまた、「理性によって自分をコントロールできるようになれば、判断の誤りから生まれる有害な衝動に悩まされることはなくなる」と述べています。例えば、介護の現場で利用者さんや同僚とのやり取りにイライラしたり、不満を抱いたりすることもあるかもしれません。しかし、その感情に飲み込まれて反応するのではなく、「なぜ自分はこう感じているのだろう」「この状況に自分はどう向き合うべきか」と理性的に考えることができれば、感情の暴走を抑え、自分にとって健全な選択をすることができます。

快楽に流されず、自己成長を目指す
ゼノンは「快楽は自己保存の衝動から得られる無意なもの」とし、真の満足は一時的な快楽ではなく、理性を用いて自分を成長させる中にあると考えました。介護の仕事は、決して派手で分かりやすい「快楽」が得られるものではありません。しかし、利用者さんの笑顔や感謝の言葉、チームとして目標を達成した時の充実感――これらは理性を用いて地道に努力を重ねた先で得られる、本質的な満足感と言えるでしょう。一時的な感情や衝動に流されず、長期的な視点で自己を成長させることが大切です。

まとめ
介護の現場で自己研鑽を続けるためには、ゼノンが説くように「理性」を活かした自己コントロールが重要です。感情や衝動に振り回されることなく、冷静に物事を判断し、自分を成長させるための選択をし続けることで、仕事にも人生にも安定感と充実感をもたらすことができます。


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