介護現場での優しい導き方
2025.04.13 |投稿者:神内秀之介
介護の現場では、利用者さんやご家族、同僚との関わりの中で、「もっとこうしてくれたら…」「なぜ協力してくれないんだろう」と感じる場面があるかもしれません。しかし、相手が自分の思うように動いてくれない時、ただイライラするのではなく、一歩引いて相手を理解し、優しく導く方法を考えてみませんか?
「選択の自由」を尊重することが第一歩
介護の現場で大切なのは、相手の意思や選択の自由を尊重することです。相手の背景や価値観を無視して一方的に指示を与えるだけでは、信頼関係を築くことはできません。例えば、利用者さんがリハビリを嫌がる場合、その理由を理解しないまま「頑張ろう」と促しても、かえって逆効果になりかねません。まずは、相手の気持ちや状況に耳を傾けることから始めましょう。
「ナッジ」でそっと背中を押す
ここで役立つのが、「リバタリアン・パターナリズム」という考え方です。これは、相手の自由を尊重しつつ、より良い方向へ導くための手法です。相手が気が進まない時でも、「どうしたら自然にその気になれるか?」を工夫することがポイントです。例えば、リハビリを嫌がる利用者さんに対して、「今日は無理せず、できる範囲で体を動かしてみませんか?」と小さな目標を提案するのも、ナッジ(そっと背中を押す)として効果的な方法です。
相手に合わせたアプローチを
ナッジを活用するには、相手の性格や価値観を把握することが欠かせません。例えば、ある人には「健康が改善しますよ」という説明が響くかもしれませんし、別の人には「こうするともっと楽に動けるようになります」という具体的な結果を示す方が効果的かもしれません。一人ひとりに合ったアプローチを考えることで、相手に寄り添った働きかけができます。
反対意見のフォローも忘れずに
導き方に成功しても、全ての人が同意してくれるとは限りません。そのような場面では、反対意見にも耳を傾けることが重要です。「そう思う理由を教えてください」と丁寧に対話を続けることで、相手の不安や不満を理解し、解決策を一緒に模索することができます。
まとめ
相手が思うように動いてくれない時こそ、自分の考えを押し付けるのではなく、相手に寄り添い、優しく導くアプローチを心がけましょう。リバタリアン・パターナリズムのような手法を取り入れることで、相手の自由や意思を尊重しながら、皆にとってより良い選択肢を見つけることができるはずです。
